厚生常任委員会委員長報告(3月24日)
厚生常任委員会に付託されました案件につきまして、審査の経過と結果を報告いたします。
最初に、議案第19号「平成26年度宇都宮市一般会計予算」のうち、本委員会に関係する部分についてでありますが、その主なものを申し上げますと、歳出第10款総務費におきましては、地域の防犯対策の推進に要する防犯対策費、地域自治の確立や市民と行政との協働によるまちづくりの推進を図るための自治振興費などを計上しようとするものであります。
第15款民生費におきましては、障がい福祉サービスの支給や自立支援医療費の給付など、障がい者の自立を支援するための障がい者自立支援費、中学校3年生までを対象に支給する児童手当費、特別養護老人ホームや地域密着型サービス事業所の整備に対する助成等を実施する老人福祉施設運営等助成費などを計上しようとするものであります。
第20款衛生費におきましては、健康診査やがん検診などの健康診査費、乳幼児健康診査や妊婦健康診査、不妊治療費助成やこんにちは赤ちゃん事業等を実施するための母子保健費、四種混合、麻しん風しん混合、日本脳炎、高齢者インフルエンザ、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を行うための予防接種費などを計上しようとするものであります。
継続費につきましては、河内地域自治センター建設事業にこれを設定しようとするものであります。
債務負担行為につきましては、平成26年度児童福祉施設整備資金利子補給にこれを設定しようとするものであります。
この議案につきましては、「新規事業として要支援児童放課後応援事業補助金があるが、ネグレクトの状況については、どのように判断するのか」との質疑に対し、「ネグレクトについては、子ども家庭支援室の訪問による児童の様子の確認などとともに、ネグレクトの通告があった児童が通う小中学校や保育園、幼稚園に見守り依頼をし、連携して対応している。今後、ネグレクト児の選定に当たっても、学校や園と十分に情報交換をし、必要に応じて、児童相談所等の意見を聞きながら対応していきたい」との説明がありました。これに対し、委員から「この事業については、児童を一番把握している学校等との連携が重要であるので、部局横断的に教育委員会とも協力しながら解決してほしい」との要望がありました。
また、「生活困窮者自立支援費の生活保護世帯中学生学習支援事業委託について、新規事業として、中学生の学習支援事業を取り入れた理由と、この事業の具体的な内容については。また、今後、生活保護受給者の自立支援に向けて、どのような方針で取り組んでいくのか」との質疑に対し、「中学生を対象とする理由については、貧困の連鎖ということで、生活保護受給世帯の子どもが将来、生活保護を受給する率が、平成19年のデータで約25%であり、また、中卒者の無職率が高卒者と大きな開きがあることから、高校進学に向け、学習能力や社会性を身につけるためである。この事業は、市内の学習教室で、30人程度の中学生を対象に週2回から3回、学力に応じた指導を実施するものである。今後の方針としては、平成27年度の生活困窮者の自立支援事業の本格実施に向けて、学習支援事業を始め、どのような支援が必要なのかを検証してきたい」との説明がありました。
この議案につきましては、「空き家等対策として、39の地域まちづくり組織に対し、10万円を上限とした補助をするとのことだが、補助対象となる空き家の実態調査や所在情報の共有化については、実態調査を今年度実施しているなど、いまさらという気がする。また、空き家等の適正管理等における地域の自主的な取り組みも補助対象としているが、人件費を考慮していないため、使い勝手の悪い補助では、もったいないと思う。空き家等対策費、574万7,000円という予算には、本市が、空き家の適正管理等を真剣に取り組む姿勢が見えてこないので、残念である」との意見や、「民間保育園の保育の質については、これまでも指摘してきたが、国の基準等を理由に改善されないままであった。先日の民間保育園における発達支援児の退園問題で、民間保育園は発達支援児の受け入れに不安があることが明らかとなった。保育の質の確保には、民間の保育士のスキルアップが必要であるが、発達支援児に関する保育士の研修体制や、月1回の療育体制も不十分であり、今回の問題も、保育園の民営化を進めてきた結果であることから、この議案には反対である。また、寡婦控除のみなし適用は、子育て世帯への支援策であるが、その予算が計上されていないことは非常に残念である」との意見がありましたが、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第20号「平成26年度宇都宮市国民健康保険特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、保険給付費、後期高齢者支援金等その他を計上し、歳入におきましては、国民健康保険税、国庫支出金のほか、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を525億1,126万8,000円にしようとするものであります。
債務負担行為につきましては、「納税催告センター運営業務委託」ほか2件に、これを設定しようとするものであります。
この議案につきましては、「保険税率が上がることで、影響があると考えているか」との質疑に対し、「平成24年度から、国が、全国共通に保険料水準を比較するための指数として保険料指数というものを示している。全国平均の1に対し、本市の保険料指数は、0.957で、中核市42市で高いほうから32位、県内26市町でも20位であり、保険税率は他市と比較し低い水準となっていることから、被保険者に御負担いただけるものと考えており、保険税率が上がることによる影響はないものと考えている」との説明がありました。
この議案につきましては、「国保は、自営業者や農業者等のための保険であったが、高齢化や景気の低迷に伴い、保険税を払える人が、低所得者や高齢者を抱えるという構造になっている。一般会計から繰り入れることは、国保以外の被保険者の市税を使うため、バランスが必要であることは理解できるが、市はこの社会的変化に気づく必要があり、一般会計からの繰り入れについて市民の合意が得られないという市の姿勢に納得ができない。不納欠損分については、まず、繰り入れを前提とし、市税等の収納率との乖離を埋めるべきであり、この理念が伝わらない以上、この特別会計には賛成できない」との意見や、「国保については、保険税が高いことが、滞納につながっており、それが、会計の財政悪化につながり、最終的に保険税を増額するという負のスパイラルが出来上がっている。その悪循環を止めなければ、根本的な解決にならないが、消費税増税のこの時期に、市税等と比べて低い収納率を前提とした税率の決め方はおかしい。また、一般会計から、あと7億円繰り入れれば、保険税率を据え置くことができるので、一時的に、一般会計から繰り入れる措置はやむを得ないことであり、その負担を被保険者に求めることは、国民皆保険を維持していく上で、財政のあり方を考え直す必要があり、この議案には賛成できない」との意見がありましたが、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第21号「平成26年度宇都宮市介護保険特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、保険給付費その他を計上し、歳入におきましては、介護保険料、国庫支出金、支払基金交付金のほか、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を262億3,105万6,000円にしようとするものであります。
債務負担行為につきましては、「納税催告センター運営業務委託」ほか1件に、これを設定しようとするものであります。
この議案につきましては、「地域包括支援センターの役割は大変重要であり、平成27年度以降、訪問介護と通所介護が地域支援事業へ移行することに伴い、その役割はさらに大きくなるが、それに見合った予算措置がされているとは思えない。また、地域包括支援センターについては、直営とし、守るべきところはしっかり守っていかないと、不安ばかりが大きくなる」との意見がありましたが、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第22号「平成26年度宇都宮市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、母子寡婦福祉資金貸付事業費を計上し、歳入におきましては、貸付金収入その他を計上して、予算総額を1億5,288万2,000円にしようとするものであります。
債務負担行為につきましては、「平成26年度母子福祉資金貸付」ほか1件に、これを設定しようとするものであります。この議案は、全会一致で原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第23号「平成26年度宇都宮市後期高齢者医療特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、後期高齢者医療広域連合納付金その他を計上し、歳入におきましては、後期高齢者医療保険料のほか、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を47億3,815万7,000円にしようとするものであります。
この議案につきましては、「後期高齢者医療制度は、そもそも国民から大きな批判が上がった制度である。この医療制度は、安心できる社会保障制度の1つとして、国が責任を持って、支えていくべきであることから、この制度自体に反対している」との意見がありましたが、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第42号「宇都宮市空き家等の適正管理及び有効活用に関する条例の制定」についてでありますが、この議案は、空き家等が周辺の生活環境を害し、及び市民等の生命、身体または財産に被害を及ぼすことを防止し、もって市民等の良好な生活環境の保全及び安全で安心な魅力ある地域社会の実現に寄与するため、空き家等の適正管理及び有効活用に関する必要な事項を規定しようとするものであります。
この議案につきましては、「空き家等対策においては、県警や消防本部とよく連携してほしい。特に、消防本部には、消防団からごみ屋敷や放置されている建物の住所や写真が送られている。条例に該当する建物等のデータを消防本部が持っていると思うので、連携を強化してほしいが、どのような見解を持っているのか」との質疑に対し、「昨年度の8月に空き家等対策委員会を庁内で立ち上げており、消防本部を含め、関係する部局と連携しながら取り組んでいかなければならないと考えている。また、条例にもあるように、警察その他の機関とも連携していかなければ、実効性を確保できないものと考えている」との説明がありました。また、「4月1日に施行される空き家等対策審議会の人選と今後の開催予定はどのようになっているのか」との質疑に対し「現在、大学教授、弁護士、建築士、造園施工管理技師、建築施工管理技師の5名の委員構成を想定している。審議会の立ち上げ後、7月までに、空き家等の管理不全な状態や、危険な状態の尺度を作るため、2回から3回の開催を予定しており、7月以降は、命令や応急代行措置の場合に審議会を開催する」との説明がありました。また、「この条例については、『緊急措置は、専門的知識を有する者の意見を聞かなくても、建築基準法に基づく特定行政庁を活用すれば十分解決できること』、『空き地については、市街化区域と市街化調整区域を明確に分けたほうがよいこと』、そして、『建物を解体し、土地の流動性を活用することにより空き家問題を解決する配慮に欠けていること』、この3点において、議員提案の条例のほうが良かったと思っている」との意見がありました。
この議案は、全会一致で原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第43号「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定」についてでありますが、この議案は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部改正に伴い、重度訪問介護の対象者を拡大するほか、共同生活介護の共同生活援助への一元化、外部サービス利用型指定共同生活援助の新設等をしようとするものであります。
この議案につきましては、「知的障がい者や精神障がい者といった行動上著しく困難を有する方を自宅で介護することは難しいため、病院や施設を選んでいることが多いと理解していることから、重度訪問介護の対象者の拡大については、疑問を感じている。また、自立支援事業所のサービス・管理責任者を1人以上常勤とする規定が緩和されているが、このような規制緩和は、安全が担保されなくなるという懸念があり、この議案には賛成できない」との意見がありましたが、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第44号「宇都宮市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例及び宇都宮市指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、介護保険法の一部改正に伴い、これまで法で定められていた地域密着型介護老人福祉施設及び指定介護老人福祉施設の入所定員に係る基準を条例で定めようとするものであります。
次に、議案第45号「宇都宮市 子ども・子育て会議条例及び宇都宮市社会福祉審議会条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、国の地方分権改革における児童福祉法及び地方青少年問題協議会法の一部改正により、児童福祉審議会の委員の定数及び地方青少年問題協議会の委員の要件に係る基準が廃止されたことを契機として、子ども・子育て支援に関する施策を総合的に調査審議するため、子ども・子育て会議を、児童福祉審議会及び地方青少年問題協議会に位置付けるとともに、社会福祉法の一部改正に伴い、これまで法で定められていた社会福祉審議会の委員の定数に係る基準を条例で定めようとするものであります。
以上の議案2件は、全会一致で原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第46号「宇都宮市保育所条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、民間保育園の誘導に伴い、上横田保育園を廃止しようとするものであります。この議案につきましては、「保育園の民営化には、反対であることから、この議案には賛成できない」との意見がありましたが、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、陳情第50号「ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「我が国におけるウイルス性肝炎患者は350万人以上いると推定されるが、国が実施している現行の医療費助成の対象は、一定の抗ウイルス療法に限定されており、これに該当しない肝硬変・肝がん患者の入院・手術費用等は極めて高額に上るにもかかわらず、助成の対象外となっている。ついては、ウイルス性肝硬変・肝がんに係る医療費助成制度を創設することなど2項目について、国に意見書を提出してほしい」というものであります。
この陳情につきましては、「この陳情の趣旨は、国が設置した肝炎対策推進協議会の意見書と同趣旨であり、医療費助成制度創設についても十分理解できる。また、身体障がい者の認定の見直しについても、課題等はあると思うが、国において検討を進めてもらいたいことから、この陳情は採択としたい」との意見や、「薬害や集団接種における注射の使いまわしに対し、国は責任を認めているものの、その補償が十分とは言えない。また、肝硬変や肝がんに対する助成は対象外であり、医療費助成は拡充すべきである」との意見があり、全会一致で採択と決定いたしました。
これをもちまして、厚生常任委員会委員長報告を終わります。
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