宇都宮市上下水道局×宇都宮大学×宇都宮餃子会 コラボ研究レポート
宇都宮餃子の「皮」のおいしさの秘訣は、宇都宮の「水道水」がおいしいから!
「宇都宮の水道水はおいしいけれど、どんな特徴があるの?」「宇都宮の水道水を使った餃子の皮は特においしいと感じるけどなぜ?」という声をよくいただきます。そこで、宇都宮の水道水と小麦粉の関係について実験しました。
おいしい水の要件である硬度と小麦粉の種類を変えて餃子の皮を作り、分析してそれぞれの食感を数値化して比べました。
注目の研究結果をご覧ください。
実験協力 国立大学法人宇都宮大学農学部 田村匡嗣准教授
栃木県産業技術センター 金井悠輔主任研究員
協同組合宇都宮餃子会 鈴木章弘専務理事兼事務局長
株式会社みんみん
1 餃子の生皮を作る
生皮の材料
[小麦粉 2種類]
・宇都宮餃子会提供1種
・市販の小麦粉(強力粉80g+薄力粉60g)1種 各140g
[水 5種類]
・超軟水 (硬度 0mg/L)
・高軟水 (硬度 10mg/L程度)
・軟水[水道水] (硬度 55mg/L程度)
・硬 水 (硬度 110mg/L程度)
・超硬水 (硬度 1,000mg/L以上) 各 80mL
硬度って何?
ミネラルのうち、マグネシウムとカルシウムの合計です。
適度に含まれると、まろやかで飲みやすく、多いとクセが強いため、好みが分かれます。
100 mg/L以下は「軟水」と呼ばれ、まろやかで飲みやすい味です。
300 mg/L以上は「硬水」で、クセが強くなります。
硬度は次式により濃度を算定します。
硬度(mg/L)=〔カルシウム濃度(mg/L)×2.497〕+〔マグネシウム同度(mg/L)×4.118〕
作り方
(1)小麦粉と水で、計10通りの組合せの材料を作る。
(2)ホームベーカリーに材料を投入し、5分間練る。
(3)それぞれの生地16gで直径8.5cm、厚さ2mmの円形の生皮を作る。
2 茹で皮・焼き皮を作る
茹で皮
作り方
(1)生皮を沸騰したそれぞれの水で2分間茹でる。
(2)茹でた生皮を室温で3分間放置する。
焼き皮
作り方
(1)5mLの油を敷いてホットプレートを230℃に温める。
(2)生皮の片面のみを30秒間焼く。
(3)超軟水70mLを加える。
(4)ホットプレートに蓋をして3分30秒間蒸し焼きにする。
(5)焼いた皮は室温で3分間放置する。
(注意)(3)の水を、高軟水~超硬水にそれぞれ変えて、同様の手順を繰り返す。
3 実験方法
皮の「硬さ」や「伸び」の測定を行う実験
「テクスチャーアナライザー」を使い、「生皮」「茹で皮」「焼き皮」の食感を調べる。
皮に専用の部品を突き刺して「硬さ」や「伸び」を測定する。
4 実験結果
(注意)平均的な代表値・測定数10枚で測定
生皮
Point 軟水(水道水)で作った生皮
・ 最も小さな荷重で破断したことから、最も柔らかい
・ 最も伸びが小さいことから、切りやすい
⇒ 柔らかく、切りやすいことから、最も成型しやすい
茹で皮
Point 軟水(水道水)で作った茹で皮
・ 最も小さな荷重で破断したことから、最も柔らかい
・ 伸びが小さいことから、歯ごたえや歯切れが良い
⇒ 柔らかく、伸びが小さいことから、噛みやすく食べやすい
焼き皮
Point 軟水(水道水)で作った焼き皮
・ どの水の焼き皮も硬さは同程度であるので、硬さに違いはない
・ 伸びが1番大きいことから、最ももっちりしている
⇒ かける力は変わりないが、伸びが大きいことから、もっちりとした食感である
まとめ
・ 軟水(水道水)で作った餃子の生地は、最も成型しやすい
・ 軟水(水道水)で作った餃子の茹で皮は、噛みやすく食べやすい
・ 軟水(水道水)で作った餃子の焼き皮は、もっちりとした食感
このページに関するお問い合わせ
上下水道局 水質管理課 水質検査センター
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