平成29年度 視察概要
平成29年度 視察概要
1 視察日 平成29年7月18日、19日、20日
2 視察先 鹿児島県鹿児島市 かごしまコンパクトなまちづくりプラン(鹿児島市立地適正化計画)について
熊本県熊本市 熊本市立地適正化計画について
福岡県福岡市 天神ビッグバンについて
3 参加者 黒子英明、工藤稔行、佐々木均、久保井永三、今井政範、
馬上剛、駒場昭夫、熊本和夫、塚原毅繁
建設常任委員会委員長 黒子 英明
本委員会においては、「かごしまコンパクトなまちづくりプラン(鹿児島市立地適正化計画)」「熊本市立地適正化計画」「天神ビッグバン」について、先進都市の事例を学び、本市の参考とするため、行政視察を行った。
1 かごしまコンパクトなまちづくりプラン(鹿児島市立地適正化計画)について(鹿児島県鹿児島市)
鹿児島市では、平成24年3月に、人口減少・超高齢社会に対応したコンパクトなまちづくりの実現に向けた土地利用の誘導指針として「鹿児島市集約型都市構造に向けた土地利用ガイドプラン」を策定し、このガイドプランに基づき、将来人口動向や扶助費の状況・予測等の現状・課題を分析したうえで、「かごしまコンパクトなまちづくりプラン(鹿児島市立地適正化計画)」を策定し、「歩いて暮らせるまちづくり」をコンセプトに様々な施策を推進していた。
施策の一つである、谷山地区における連続立体交差事業では、これまで南北に走る線路により地区が分断され、一体的なまちづくりが困難な状況であったが、鉄道高架化や鉄道残地を活用し、遊歩道や自転車道を設置することで、周辺住民の生活利便性を向上し、魅力ある都市空間の形成に取り組んでいた。
鹿児島市が推進する居住や都市機能の誘導策は、今後、立地適正化計画における各種取り組みを進めていく本市にとって大変参考となるものであった。
2 熊本市立地適正化計画について(熊本県熊本市)
熊本市では、モータリゼーションの進展等による市街地の拡大や、日常生活サービス機能の衰退の懸念を踏まえ、「熊本市立地適正化計画」を策定し、人口減少、超高齢社会へ適応可能な都市づくりを進めている。
策定に当たっては、アンケートや市民懇話会を開催し、そこから得られた住民ニーズを考慮した区域設定等に努めたほか、公共交通ネットワークの充実などを柱としつつ、都市機能誘導区域または居住誘導区域への立地を念頭においた、公共施設の立地促進や市営住宅の維持更新などの新たな施策の検討を進めていた。
さらに、人口が減少する中においてもコミュニティを守るという考えのもと、まちづくり支援機能を強化するための拠点として、まちづくりセンターを設置するとともに地域担当職員を配置し、地域コミュニティの維持・活性化に向けた取り組みを進めていた。
ハードの誘導だけではなく、コミュニティの維持・活性化にも取り組む熊本市の計画は、今後、居住誘導区域を設定し、誘導に向けた施策を進めていく本市にとって大変参考になるものであった。
3 天神ビッグバンについて(福岡県福岡市)
福岡市では、アベノミクス第3の矢であるグローバル創業・雇用創出特区を活用したプロジェクト「天神ビッグバン」に取り組んでいる。
このプロジェクトは、天神地区において、都市機能を支えてきた民間ビルの更新期が到来する中、航空法による高層ビル建築の高さ制限や容積率等に関する現行法では建てかえにより床面積が減少し、まちづくりが進まないという課題を、特区指定による航空法の特例承認と市独自施策となる容積率緩和により民間ビルの建てかえを積極的に誘導するもので、計画期間10年間で延べ床面積を1.7倍、雇用を2.4倍に増加させ、大きな建設投資効果と経済波及効果を見込んでいる。
建てかえ促進に向け、周辺ビルとの連続性や緑化などの魅力あるデザイン性に優れたビルに対する容積率のさらなる緩和やテナントの優先紹介といったインセンティブ付与など、民間の参入を促す積極的な施策を推進していた。
活気と魅力あふれる市街地を形成していくためには、民間と一体となったまちづくりが必要であり、福岡市の取り組みは、本市においても大変参考となるものであった。
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