令和6年度 視察概要

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ページID1036918  更新日 令和6年10月1日

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令和6年度 視察概要

視察の様子(建設)
視察の様子(大阪市)

1 視察日 7月3日、4日、5日
2 視察先 広島県呉市  ウォーカブルなまちなかの形成に向けた取組について
        大阪府大阪市  御堂筋道路空間再編について
                 なんば駅周辺における空間再編推進事業について
       東京都豊島区  としまみどりの防災公園(IKE・SUNPARK)について
3 参加者 長谷川武士、秋成大、河田敦史、黒子英明、福田智恵、今井政範、岡本芳明
4 視察結果
 本委員会においては、「ウォーカブルなまちなかの形成に向けた取組」「御堂筋道路空間再編」「なんば駅周辺における空間再編推進事業」「としまみどりの防災公園(IKE・SUNPARK)」について、先進都市の事例を学び、本市の参考とするため、行政視察を行った。

建設常任委員会委員長 長谷川 武士

1 ウォーカブルなまちなかの形成に向けた取組について(広島県呉市)
 呉市では、旧そごう呉店跡地の再生や、駅前広場の老朽化・機能低下等の呉駅周辺地域の課題解決に向け、国道・鉄道駅・港の3つの交通モードがコンパクトに集積した立地特性や、県都である広島市と広島空港との高いアクセス性等を生かし、呉駅周辺地域総合開発に取り組んでいる。
 なお、旧そごう呉店は複数の権利者の共有財産であることから、総合開発に当たって呉市は権利集約を行っており、権利関係をシンプルにしたことで、より機動的に総合開発を進めることを可能とした点が特徴的である。
 第一期開発では5年後の目指す姿として、バス・タクシー・自家用車と歩行者を分離した駅前広場、交通ターミナルと一体となるデッキ広場、にぎわいを創出する複合施設の整備等を計画しており、近隣施設の呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)等との周遊性も加味されたものとなっている。
 また、中央公園や蔵本通りなどのまちなか公共空間を人中心のウォーカブルな空間に再構築するため、呉まちなか公共空間デザイン計画を策定中であり、水辺空間の活用や歩行空間の拡幅等の社会実験を実施するとともに、市民や公園利用者等が参画可能なワークショップを開催し、整備内容について検討を進め、基本デザインの案を作成する予定である。
 呉市のこれらの取組は、人中心の居心地の良いウォーカブルなまちづくりに取り組む本市にとって大いに参考となるものであった。

2 御堂筋道路空間再編について(大阪府大阪市)
 御堂筋は、大阪市の中心部を南北に貫くメインストリートであるが、車から人中心のストリートに転換を図るため、6車線のうち側道の2車線を歩道として再編成し、歩行者空間を拡充している。現在も段階的に工事が進められており、実際に現地を視察すると、整備後の道路では、余裕のある歩道幅で歩行者が多く、人優先のウォーカブルなまちが形成されていた。なお、4車線化に当たっては、事前に側道を閉鎖した社会実験を実施し、本線の渋滞等の交通影響、停車スペース等における運用等を検証するなど、関係機関や地域と連携した取組が進められてきた。
 また、広がった歩道空間等において、DX・GX等の最先端技術の展開、ストリートの滞在空間化等に取り組み、道路空間の利活用内容やエリア周辺の回遊状況等を検証する社会実験である御堂筋チャレンジが実施されるなど、歩行者利便増進等に向けた取組が進められており、大阪市の取組は、人中心のまちづくりと、まちのにぎわい創出の観点で大いに参考となるものであった。

3 なんば駅周辺における空間再編推進事業について(大阪府大阪市)
 なんば駅周辺は、大阪の南の玄関口であるが、駅前はタクシープールや植栽に多くの空間が割かれるなど、一体的な空間を確保できない状況であり、駅につながるなんさん通りについては、歩行者通行量に比べて狭い歩行者空間であることなどが課題となっていた。
 このような状況の中、地元町会・商店街・企業で構成される協議会において各種検討を開始し、なんば駅前広場化のまちづくり構想をとりまとめ、その後は官民一体となった組織において、基本計画の策定や、社会実験が行われたところである。
 社会実験においては、タクシー・バス等の交通機能の再配置や、駅前広場の24時間車両進入禁止、なんさん通り周辺の荷さばきスペースと搬入経路・搬入時間の制限を実施し、交通影響も問題なく、歩行者の滞在快適性において良好な結果を得たところである。
 これらの結果を踏まえ、現在整備が進められているが、先行オープンしたなんば広場においては、様々なイベントが開催されるなど、既ににぎわいの創出が図られている。大阪市の官民が一体となった取組は、本市におけるJR宇都宮駅西口周辺地区の整備等において大いに参考となるものであった。

4 としまみどりの防災公園(IKE・SUNPARK)について(東京都豊島区)
 としまみどりの防災公園(IKE・SUNPARK)は、造幣局東京支局跡地において、災害に強く文化とにぎわいを創出する活力ある市街地形成を実現するため、豊島区とURが連携し、防災公園街区整備事業による防災公園と市街地区域が一体となったまちづくりとして進められてきた。
 防災公園としては、かまどベンチや非常用トイレなどの機能のほか、延焼防止の役割を担うシラカシの防災樹やヘリポート機能など、土地が限られた都心におきながらも、区内最大級の機能を備えている。
 にぎわいの創出としては、飲食等の多様な業態を展開する小型店舗であるコトポートやカフェが整備されているほか、ファーマーズマーケットが開催されるなど、区民の憩いの場となっている。
 また、豊島区では本公園を含む池袋駅周辺4公園を核にしたまちづくりを進めており、4つの公園がつながり連携することで、新たな交流の場とにぎわいを創出している。これらの面的な取組や、平時と非常時の多機能利用が可能な公園整備の視点は、大いに参考となるものであった。
 

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