平成28年度 視察概要

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ページID1029869  更新日 令和6年3月8日

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平成28年度 視察概要

視察の様子(厚生)
視察の様子(荒川区)

1 視察日  平成28年10月4日、5日、6日
2 視察先  新潟県上越市 利用者支援事業について
        石川県金沢市 中核市の児童相談所について
        東京都荒川区 待機児童対策について
3 参加者  今井政範、黒子英明、宇賀神文雄、小平美智雄、工藤稔行、
        増渕一基、荒川恒男、鎌倉三郎

厚生常任委員会委員長 今井 政範

 本委員会においては、「利用者支援事業」「中核市の児童相談所」「待機児童対策」について、先進都市の事例を学び、本市の参考とするため、行政視察を行った。

1 利用者支援事業について(新潟県上越市)
 上越市では、子ども・子育て支援新制度に先がけ、平成26年度から利用者支援事業に取り組んでおり、地域子育て支援拠点である、上越市こどもセンター内に事務局を置き「じょうえつ子育てinfo」の名称で活動している。
 「じょうえつ子育てinfo」は、事務局内に子どもが遊べるスペースを広く確保し、親子の交流の場としても気軽に利用されるような工夫をするなど、子育て相談のワンストップ窓口として、利用者目線に立った運営を行っている。特に、相談や問い合わせについては、「何でも聞いていい」というスタンスを第一に考え、日常的な会話や愚痴なども支援への糸口として重視するなど、子育て世帯と行政をつなぐ架け橋の役割を担っており、利用者に寄り添う姿勢には大いに学ぶところがあった。また、「子育てジョイカード事業」や「ファミリーヘルプ保育園」など、子育て支援策も充実しており、利用者支援事業と行政の支援策が高い相乗効果を生んでいる取り組みと感じられた。

2 中核市の児童相談所について(石川県金沢市)
 金沢市では、従来から「地域の子どもは地域で育てる」善隣館活動という公私協働の土壌があり、子どもと子育て支援に関する様々なサービスの提供や相談を行ってきた。しかし、要保護児童の一時保護など、市の権限だけでは対応できない事案もあり、より迅速かつ適切に対応するため、平成16年の児童福祉法改正を受け、平成18年4月、中核市初の児童相談所を開設した。
 市が児童相談所を設置したことにより、児童虐待等への対応の迅速化や、児童の処遇の一貫化といった効果のほか、相談窓口の一元化や、保健センターや保健所、学校など市の関係機関との密接な連携といった、市単独設置ならではの強みが生まれている。また、設置に当たっての施設の整備や、福祉専門職の確保の問題、職員の心身のケアの重要性など、中核市が児童相談所を設置する際の具体的な課題も確認することができ、今後、設置の可能性を検討していく本市にとって非常に参考となるものであった。

3 待機児童対策について(東京都荒川区)
 荒川区では、平成26年に待機児童数が一桁まで減少したものの、その後、雑誌の特集にて「共働き子育てしやすい街」全国1位に選ばれたことに加え、大規模マンションの建築等により、ファミリー世帯の転入が大幅に増え、平成28年には、待機児童の増加数が、東京都内で2番となるなど、保育需要が増加したことから、その対策に取り組んでいる。
 面積の小さい区であるため、保育園整備のための用地確保が困難な中、小学校の余裕教室の活用や、神社が所有している土地を借り受けるといった対応により保育環境の整備に取り組んでおり、平成29年4月には、国家戦略特区制度の規制緩和を活用して、都立公園内に保育施設を整備するなど、その先進的な取り組みは、他の自治体にも波及している。整備に当たっては、施設の屋上に元の用途であるプレイグラウンドを設置するなど、周辺住民への配慮もなされており、その柔軟な取り組みについては非常に参考となるものであった。

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