建設常任委員会委員長報告(3月23日)
建設常任委員会に付託されました案件につきまして、審査の経過と結果を報告いたします。
最初に、議案第18号「平成28年度宇都宮市一般会計予算」のうち、本委員会に関係する部分についてでありますが、その主なものを申し上げますと、歳出第40款土木費におきましては、市内全域にわたる道路・橋りょうの維持修繕、新設改良に要する経費のほか、都市基盤河川御用川・奈坪川、準用河川、普通河川の整備等に要する経費、小幡・清住土地区画整理事業の推進等に要する土地区画整理事業費、市内の公園施設の維持修繕、整備等に要する経費、LRT整備に要する経費、市営住宅の維持管理、整備等に要する経費、さらに、都市開発資金事業特別会計ほか4特別会計への繰出金その他を計上しようとするものであります。
債務負担行為につきましては、市道6413号線橋りょう工事ほか3件にこれを設定しようとするものであります。
この議案につきましては、「土木費において、河川費などが前年度よりも大幅に減額されており、市民生活への影響が懸念されるが、予算編成の考え方はどのようになっているのか」との質疑に対し、「河川費では、今年度に奈坪川整備に係るトンネル本体工事が終了したこと、また、都市計画費では、岡本駅周辺整備に係るJRへの負担金が減額したことなど、各事業の精査の結果、約12億円を減額したが、市民生活に直結する道路、橋りょう、河川の維持修繕などに要する予算については、今年度並みに計上したことから、市民生活に影響はないものと考えている」との説明がありました。
また、この議案につきましては、「LRT事業費について、市民合意を得るための調査費には賛成だが、市民合意が得られていない中での市道認定や軌道整備事業の実施は、性急な取り組みであるため、この議案には賛成できない」との意見がありました。
この議案につきましては、LRTに関する市民からの陳情を考慮し、陳情についての質疑を行った後、採決を行い、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第26号「平成28年度宇都宮市都市開発資金事業特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、鶴田沼緑地用地取得に係る市債の元金償還金と支払利子を計上し、歳入におきましては、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を1億9,880万1,000円にしようとするものであります。
次に、議案第27号「平成28年度宇都宮市鶴田第2土地区画整理事業特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、建物等調査算定業務委託、交差点改良、道路築造工事、建物・工作物等移転補償などの土地区画整理事業費その他を計上し、歳入におきましては、国・県支出金、財産収入、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を11億7,380万1,000円にしようとするものであります。
地方債につきましては、土地区画整理事業費について起債の目的、限度額などを定めようとするものであります。
次に、議案第28号「平成28年度宇都宮市宇大東南部第1土地区画整理事業特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、建物等調査算定業務委託、道路築造工事、整地工事、建物・工作物等移転補償などの土地区画整理事業費その他を計上し、歳入におきましては、国庫支出金、財産収入、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を11億9,307万円にしようとするものであります。
地方債につきましては、土地区画整理事業費について起債の目的、限度額などを定めようとするものであります。
次に、議案第29号「平成28年度宇都宮市宇大東南部第2土地区画整理事業特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、建物等調査算定業務委託、道路築造工事、整地工事、建物・工作物等移転補償などの土地区画整理事業費その他を計上し、歳入におきましては、国・県支出金、財産収入、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を8億2,273万8,000円にしようとするものであります。
地方債につきましては、土地区画整理事業費について起債の目的、限度額などを定めようとするものであります。
次に、議案第30号「平成28年度宇都宮市岡本駅西土地区画整理事業特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、建物等調査算定業務委託、道路築造工事、整地工事、建物・工作物等移転補償などの土地区画整理事業費その他を計上し、歳入におきましては、国・県支出金、財産収入、一般会計からの繰入金その他を計上して、予算総額を9億3,209万9,000円にしようとするものであります。
地方債につきましては、土地区画整理事業費について起債の目的、限度額などを定めようとするものであります。
次に、議案第58号「岡本駅周辺整備に伴う関係条例の整備に関する条例の制定」についてでありますが、この議案は、岡本駅周辺整備に伴い、既存の自転車駐車場を廃止するとともに、新たに自転車駐車場及び公衆便所を設置しようとするものであります。
次に、議案第59号「上河内都市計画区域の宇都宮都市計画区域への統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定」についてでありますが、この議案は、上河内都市計画区域が宇都宮都市計画区域に統合され、上河内都市計画区域であった区域に、新たに市街化区域及び市街化調整区域が定められることに伴い、当該区域における市街化調整区域の50戸連たんの基準日の特例を整備するほか、関係条例について所要の改正等をしようとするものであります。
次に、議案第60号「宇都宮市手数料条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律施行規則の一部改正に伴い、既存住宅に係る長期優良住宅建築等計画の認定申請手数料を規定するとともに、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行に伴い、新たに創設される建築物エネルギー消費性能向上計画及び建築物エネルギー消費性能に係る認定申請手数料を規定しようとするものであります。
次に、議案第61号「宇都宮市建築審査会条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、国の地方分権改革における建築基準法の一部改正により、これまで同法で定められていた建築審査会の委員の任期を、国の基準を参酌して、条例で定めることとされたことに伴い、当該任期に係る必要な事項を規定しようとするものであります。
以上の議案9件は、全会一致で、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第70号から議案第72号までの3件は、いずれも軌道整備事業の実施に関連するものであることから、委員会において一括して審査を行ったところであります。
まず、議案第70号「軌道整備事業の実施について」でありますが、この議案は、本市及び芳賀郡芳賀町における軌道運送高度化事業として、軌道整備事業を実施しようとするものであります。
次に、議案第71号「市道路線の認定について」でありますが、この議案は、軌道整備事業の実施等に伴い、新たに6路線を市道として認定しようとするものであります。
次に、議案第72号「軌道運送高度化実施計画の認定申請に係る道路管理者の意見について」でありますが、この議案は、関東運輸局長から軌道運送高度化実施計画の認定申請に係る道路管理者として意見を求められたので、これに同意する旨回答しようとするものであります。
これらの議案につきましては、「LRTの運転最高速度は、軌道法に基づき、時速40キロメートルの速度制限を受けるが、高速走行のために、ATSや防護柵の設置をしてまで、軌道法の特認を取得する必要があるのか」との質疑に対し、「今回は、全線時速40キロメートルでの申請となるが、軽量かつブレーキ性能の良好な車両を導入することにより、従来よりも制動距離が短く、目視でも安全な停車が期待できることから、将来的には、定時性や速達性の確保をするためにも、自動車交通との並走区間では、時速50キロメートル、LRT専用走行区間の一部では、時速70キロメートルで走行ができるよう、軌道法による特認取得を目指していきたい」との説明がありました。
また、「LRTの専用走行区間は、道路のない部分を市道認定し、併用軌道にするのではなく、LRTの専用軌道として、新設軌道の手続きを進めるべきと考えるため、賛成できない」との意見がありましたが、「内容も濃く、さまざまな協議も進んでいる」との意見が多く、以上の議案3件は、起立採決の結果、原案のとおり、可決いたしました。
次に、議案第73号「指定管理者の指定について」でありますが、この議案は、JR岡本駅西口自転車駐車場の指定管理者を指定しようとするものであります。
この議案は、全会一致で、原案のとおり可決いたしました。
次に、陳情第13号「宇都宮市が計画する仮称大谷スマートインターチェンジ設置の白紙撤回に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「現在、主要地方道宇都宮今市線大谷街道は、朝夕のラッシュ時に大変混雑しており、そこに市の計画しているスマートインターチェンジの出入りが加わると、交通麻痺に拍車がかかることは明らかである。ついては、現在、市が計画している仮称大谷スマートインターチェンジの白紙撤回など、4項目について陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「陳情者が400名を超えており、大谷スマートインターチェンジ設置に向けて、地域住民の理解と納得が得られていないことは、陳情者の人数からも明らかであることから、この陳情は採択したい」との意見がありました。
また、「本市は、大谷スマートインターチェンジの早期設置に向けて、ネクスコ東日本や県に対して、多くの要望活動を続けてきた経緯があり、設置に、多くの期待が寄せられていることからも、この陳情は不採択としたい」などの意見もありました。
その一方で、「大谷スマートインターチェンジの設置を巡っては、賛否ともにさまざまな意見があり、現段階で、陳情審査に臨むには、調査不足であることから、この陳情は継続審査としたい」との意見がありました。
この陳情第13号につきましては、継続審査を求める意見と採決を求める意見がありましたことから、まず、継続審査について諮ったところ、継続審査が退けられ、その後、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第14号「宇都宮城址公園に於ける犬の散歩禁止に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「宇都宮城址公園には、芝生内への犬の立入禁止看板はあるが、それを守らず、芝生内で犬を散歩させ、さらには、同公園内で犬に排せつさせている。同公園内では季節ごとに各種イベントが行われているが、こうした現状ではイベント等の屋台が犬の排せつ物の上で営業していることと同じであり、衛生上問題があるため、市所管課へ連絡しているが改善されない。ついては、市条例等で取り締まるなど、早急に同公園内における犬の散歩を禁止するよう陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「市はこれまでにも城址公園の公衆衛生という観点から、看板の設置や管理人による見回りなどを積極的に実施しており、条例等で取り締まることには、慎重になる必要がある。しかしながら、陳情者の心情は理解できるため、広報紙を活用した利用者マナーの啓発や注意喚起などに今後、より一層取り組んでもらえるよう、執行部に要望し、この陳情については不採択としたい」との意見が多く、全会一致で、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第16号「LRT事業に関わる都市計画素案10・7・101号宇都宮芳賀ライトレール線平石中央小学校付近通過ルート変更に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「平成28年2月10日に開催された平石中央小学校臨時PTA総会において、同小学校の校舎付近を通過するLRT現行ルート案の変更を求める議案の審議をしたところ、変更を要望する票数が95%以上となり、本市に対し、ルート変更を求めることが決議された。ついては、都市計画素案における同小学校付近を通過するLRT現行ルート案について、同小学校児童の学習環境及び通学路の保全を第一優先とし、ルート変更の実施をすることなど、3項目について陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「平石中央小学校周辺の通学路に講じられるさまざまな安全対策により、本当に子どもたちの安全性が確保できるのかという地域住民や保護者の心配は理解できることから、この陳情は採択したい」との意見がある一方、「市が提示している現行ルート案は、技術面・経済面などで妥当性があり、学習環境や通学路の保全に対する対策も十分に考慮されたものであり、平石地区の自治会連合会やまちづくり協議会からの了承も得られていることから、この陳情は不採択としたい」との意見があり、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第18号「『LRT整備予算の削除』と『LRT計画の白紙撤回』等に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「市民は、路線バスとの不便な乗りかえを強要する使い勝手の悪い階層性のある基軸・LRTの敷設に反対し、本市にふさわしい公共交通ネットワークの構築を求めている。ついては、LRT整備推進を白紙に戻すべくLRT整備費を削除し、本市にふさわしい公共交通のあり方や東部地区の渋滞対策を構想する調査ができる公共交通対策調査費を計上するよう陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「LRT整備の当初目的は、渋滞解消であったが、現在は、道路整備などにより、ある程度改善されていることから、この陳情の願意は妥当であるため、採択としたい」との意見がある一方、「LRT事業は、本市に必要な事業であり、今回予算計上されているLRT整備費には、市民合意を得るための調査費用も含まれていることから、この陳情は不採択としたい」との意見があり、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
次に、陳情第20号「平成28年度予算『LRT事業費』に関する陳情」についてでありますが、その趣旨は、「LRT事業計画は、本市にとって最重要施策であるが、現段階でも多くの市民の合意が得られておらず、強行すれば本市の将来に多くの弊害をもたらす施策であると考えられる。ついては、平成28年度予算内にあるLRTの整備に関するJR宇都宮駅東側の優先整備費の予算を削除するよう陳情する」というものであります。
この陳情につきましては、「いまだにLRT導入に対する市民合意は得られておらず、JR宇都宮駅東側は、費用対効果も含めてBRTの導入が最適であると考えることから、この陳情は採択したい」との意見がある一方、「LRT整備費には、オープンハウスの推進など、市民合意を形成するための事業費が含まれていること、また、LRT事業は本市にとって必要かつ重要なものであることから、この陳情は不採択としたい」との意見があり、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
これをもちまして、建設常任委員会委員長報告を終わります。
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