厚生常任委員会委員長報告(3月23日)
厚生常任委員会に付託されました案件につきまして、審査の経過と結果を報告いたします。
最初に、議案第20号「平成24年度宇都宮市一般会計予算」のうち、本委員会に関係する部分についてでありますが、その主なものを申し上げますと、歳出第10款総務費におきましては、地域の防犯活動の推進に要する防犯対策費、地域自治の確立や市民と行政との協働によるまちづくりの推進を図るための自治振興費などを計上しようとするものであります。
第15款民生費におきましては、障がい者の自立した生活を支援するための障がい者自立支援費、15歳到達後、最初の年度末までの児童を対象にした子ども手当を支給するための子ども手当及び児童手当費、特別養護老人ホームや地域密着型サービス事業所の整備に対する助成等を実施する老人福祉施設運営等助成費などを計上しようとするものであります。
第20款衛生費におきましては、健康診査やがん検診などの健康診査、妊婦健康診査や不妊治療の費用の助成、乳幼児健康診査を受診していない家庭を全戸訪問するすこやか訪問事業等を実施するための母子保健費、子宮頸がん予防・ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を行うための予防接種費などを計上しようとするものであります。
債務負担行為につきましては、児童福祉施設整備資金利子補給に、これを設定しようとするものであります。
この議案につきましては、「新年度に導入を予定している要援護者台帳管理システムの運用経費が計上されているが、導入により現場の活動がどのように改善されるのか」との質疑に対し、「災害時の要援護者と地区の支援者の住民基本台帳データの突合が可能であるため、行政で転出・死亡等の確認ができるほか、災害発生時において被災地区の要援護者や支援者、避難所等を地図上で確認できることから、今後は、行政と地区との情報交換がより円滑にできるものと考えている」などの説明がありました。さらに、「生活保護受給者の平成20年度以前の増加率と平成21年度以降の増加率を比較するとほぼ倍増し、それに伴い生活保護費も急増している。生活保護費抑制のためにも、働ける人の自立支援を全庁を挙げて取り組んでほしい」との要望がありました。
この議案につきましては、「高齢者を対象とした肺炎球菌予防接種実施経費や共同墓地の整備に関する経費等が計上されておらず、今回の予算では不十分であることから、この議案には賛成できない」との意見がありました。
次に、議案第21号「平成24年度宇都宮市国民健康保険特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、保険給付費、後期高齢者支援金等その他を計上し、歳入におきましては、国民健康保険税、国庫支出金のほか、一般会計からの繰入金などを計上して、予算総額を483億5,975万6,000円にしようとするものであります。
この議案につきましては、「国民健康保険税の収納率など歳入のあり方に問題があり、一般会計からの繰入金も不十分であることからこの予算には賛成できない」との意見がありました。
次に、議案第22号「平成24年度宇都宮市介護保険特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、保険給付費その他を計上し、歳入におきましては、介護保険料、国庫支出金、支払基金交付金のほか、一般会計からの繰入金などを計上して、予算総額を240億6,762万4,000円にしようとするものであります。
以上の議案3件は、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第23号「平成24年度宇都宮市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、母子寡婦福祉資金貸付事業費を計上し、歳入におきましては、貸付金収入その他を計上して、予算総額を1億2,687万9,000円にしようとするものであります。
債務負担行為につきましては、平成24年度母子福祉資金貸付ほか1件に、これを設定しようとするものであります。
この議案は、全会一致で原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第24号「平成24年度宇都宮市後期高齢者医療特別会計予算」についてでありますが、この議案は、歳出におきまして、後期高齢者医療広域連合納付金その他を計上し、歳入におきましては、後期高齢者医療保険料のほか、一般会計からの繰入金などを計上して、予算総額を44億4,856万3,000円にしようとするものであります。
次に、議案第43号「宇都宮市介護保険条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、介護報酬の改定、地域区分の変更等に伴い、介護保険料率の改定等をしようとするものであります。
以上の議案2件は、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第44号「宇都宮市介護従事者処遇改善臨時特例基金条例の廃止」についてでありますが、この議案は、国の介護従事者処遇改善臨時特例交付金の終了に伴い、これを受ける介護従事者処遇改善臨時特例基金を廃止しようとするものであります。
次に、議案第45号「宇都宮市国民健康保険税条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、地方税法施行令の一部改正に伴い、基礎課税額、後期高齢者支援金等課税額及び介護納付金課税額に係る課税限度額を引き上げようとするものであります。
次に、議案第46号「宇都宮市手数料条例の一部改正」についてでありますが、この議案は, 医療機器の販売業及び賃貸業の許可等に係る権限が、栃木県から本市に移譲されることに伴い、当該許可等に係る手数料について、新たに定めようとするものであります。
以上の議案3件は、全会一致で原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第47号「宇都宮市保育所条例の一部改正」についてでありますが、この議案は、民間保育園の誘導に伴い、北保育園及び不動前保育園を廃止しようとするものであります。
この議案につきましては、起立採決の結果、原案のとおり可決いたしました。
次に、議案第48号「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定」についてでありますが、この議案は,、同法律の施行に伴い、子ども発達センターの障害児支援事業の名称を変更し、会議室の廃止をするとともに、引用条文の整理等、所要の改正をしようとするものであります。
この議案は、全会一致で原案のとおり可決いたしました。
次に、陳情第7号「慢性疲労症候群患者の支援を求める陳情」についてでありますが、その趣旨は、「慢性疲労症候群は、強い疲労の持続ないし再発の繰り返し、神経免疫系の極度の消耗など、さまざまな症状を伴い、日常生活を送れなくなる病気であるが、多くの患者は、原因が解明されていないために、心因性と思われたり、詐病の扱いを受けるなどの偏見と無理解に苦しむとともに、介護が必要であるにもかかわらず、障がい施策の対象にもならないため、制度の谷間で苦しんでいる。ついては、厚労省にもう一度、慢性疲労症候群専門の研究班を発足させ、重症患者の実態を調査し、この病気の真の原因を研究することなど4項目についての意見書を国に提出してほしい」というものであります。
この陳情につきましては、「慢性疲労症候群について正しい知識を持つことや、治療を受ける環境を整備し支援する制度を確立することが大変重要であることから、この陳情については採択としたい」との意見があり、全会一致で採択と決定いたしました。
次に、陳情第9号「公的年金の改悪に反対する意見書提出を求める陳情」についてでありますが、その趣旨は、「政府は税と社会保障の一体改革の中で、私たちの生活にかかわる年金・医療・介護・生活保護などの社会保障制度を改悪しようとしている。特に、年金の『特例水準解消・2.5%削減』については、10年も前の措置をあたかも借金であるかのように見立てていることや、2004年の法改正において特例措置分は物価が上昇する状況の中で解消することとした約束に反していることなどの理由から容認することはできない。ついては、『公的年金の特例水準解消・2.5%削減』を行わないことを求める意見書を国に提出してほしい」というものであります。
この陳情につきましては、「現在の経済状況を考えると、高齢者の年金2.5%減は非常に厳しいと思われることから、この陳情については採択としたい」との意見がありました。
また、「年金制度の維持や将来世代の負担、世代間の不公平などを考えると、特例水準の解消はやむを得ないため、この陳情については不採択としたい」などの意見もありました。
この陳情第9号につきましては、継続審査を求める意見と採決を求める意見がありましたことから、まず、継続審査について諮ったところ、継続審査が退けられました。次に、採決においては、継続審査を求めた委員のうち退席する委員もおりましたが、起立採決の結果、可否同数となったため、委員会条例第26条第1項の規定に基づき、委員長裁決により採択と決定いたしました。
次に、陳情第4号「大幅増員と夜勤改善で安全・安心の医療・介護を求める陳情」についてでありますが、この陳情は、平成23年12月定例会において上程され、本委員会において、閉会中の継続審査となっていたものであります。
その趣旨は、「厚生労働省が2011年6月に出した『看護師等の雇用の質の向上のための取り組みについての通知』では、夜勤・交替制労働者等の勤務環境改善は、喫緊の課題としており、安全・安心の医療・介護のためには、看護師等の大幅増員と労働環境改善の法規制が必要である。また、東日本大震災からの復興や地域医療再生のためには、医療・社会保障予算を先進国並みにふやし、国民負担を減らすことが求められている。ついては、看護師など夜勤交替制労働者の労働時間を1日8時間、 週32時間以内、勤務間隔を12時間以上とすることなど3項目についての意見書を国に提出してほしい」というものであります。
この陳情につきましては、「陳情項目は、十分納得のいくものであり、財源についても、国の予算の中で、組み方・使い方で解決できるため採択としたい」との意見もありましたが、「看護師の大幅増員と 労働環境の改善は必要であり、陳情の趣旨は十分理解できるが、陳情項目にある予算を増やし国民負担を減らすという内容には相反するところがあり、実現が難しい事項について国へ意見書を提出することはできないので不採択としたい」などの意見が多く、起立採決の結果、不採択と決定いたしました。
これをもちまして、厚生常任委員会委員長報告を終わります。
このページに関するお問い合わせ
議会事務局 議事課
電話番号:028-632-2608 ファクス:028-632-2613
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。