誰もがいきいきと安心して暮らせるまちづくり調査特別委員会
視察概要
1 視察日 11月6日、7日、8日
2 視察先 大阪府大阪市 児童虐待防止に係る取り組みについて
兵庫県尼崎市 児童虐待防止に係る取り組みについて
千葉県浦安市 児童虐待防止に係る取り組みについて
3 参加者 舟本肇、渡辺通子、原千鶴、保坂栄次、遠藤信一、菅野大造、
矢古宇芳一、柴田賢司、黒子英明、金崎芙美子、福田智恵、
今井恭男、渡辺道仁、岡本芳明
4 視察結果
本委員会においては、「児童虐待防止に係る取り組み」について、先進都市の事例を学び、本市の参考とする ため、行政視察を行った。
誰もがいきいきと安心して暮らせるまちづくり調査特別委員会 委員長 舟本 肇
(1) 児童虐待防止に係る取り組みについて(大阪府大阪市)
大阪市では、これまで、24時間相談できる児童虐待ホットラインの設置や、区役所及びこども相談センターの体制強化など、虐待防止に向けた積極的な取り組みを進めてきたが、依然として虐待により命を落とす事件が毎年発生していることから、 市長をトップに関係機関が一体となり体制の強化に取り組む、大阪市児童虐待防止対策強化会議を開催していた。
会議では、子どもの成長段階別に課題を抽出、本年3月に具体的な対応策をまとめ、これを受け、市では、実現可能なものから予算に反映し、望まない妊娠・出産を課題と捉えた養子縁組あっせん事業の強化、愛着の欠如に着目した個別に支援を必要とする母親のスクリーニング、行政機関や地域の関係機関の目が届きにくい4、5歳児への家庭訪問など、実効性のある対策を即座に講じている。
また、庁内各局はもとより、学校や保育施設、医療機関、警察、地域等と連携した体制を構築し、虐待のリスクに対する気づきと早期の支援につなげている。
児童虐待を根絶するという強い意志のもと、具体的な課題を抽出し、幅広い関係機関とスピード感を持ってさまざまな対策を進める大阪市の取り組みは、大いに参考になるものであった。
(2) 児童虐待防止に係る取り組みについて(兵庫県尼崎市)
尼崎市では、子育てに不安や負担を感じる家庭の増加や、家庭の子育てを支える地域力の弱体化、地域における子どもの豊かな人間性や社会性などを育む機会の減少など、市全体の課題に取り組んでいくため、平成21年度に子どもの育ち支援条例を制定した。
条例でうたう「子どもの主体性をはぐくむ」「大人が協力して子どもが健やかに育つ環境をつくる」などの基本理念のもと、庁内外の福祉、保健、教育などの分野が連携し、子どもの育ちを横断的に支援するとともに、子育てコミュニティソーシャルワークやスクールソーシャルワークなどの取り組みにより、地域の子育て機能や子どもを支援する仕組みの強化に努めている。
また、本年10月に開設した子どもの育ち支援センター「いくしあ」においても、分野横断的に連携し、さまざまな子育ての相談に切れ目なく、ワンストップで支援できる体制を整えている。
地域における子育て環境が弱体化している現状を課題と捉え、条例により大人の責務を明確化し、子どもの育ちを社会全体で支える仕組みを構築しようとする尼崎市の取り組みは、大いに参考になるものであった。
(3) 児童虐待防止に係る取り組みについて(千葉県浦安市)
浦安市では、児童虐待の予防のための子育て支援と、児童虐待を防止するための取り組みからなる浦安市の子どもをみんなで守る条例を平成24年に制定した。
この条例では、子育てに不安がある保護者が一人で抱え込まずに相談・援助を求めることや、市民等が虐待の早期発見に努め、必要に応じ速やかに通告することなど、それぞれが取るべき具体的な方策を規定し、さまざまな機会を通じて市民に周知することで、子育てを支援し、孤立させない環境を整えている。
また、市では、地域の子育て力向上のための人材育成や、被虐待児となり得る子どもが虐待を知り、声を上げられるようにするための普及啓発などにも努めている。
平成30年度の虐待の相談件数は前年度比で約1.4倍増、特に、学校等経由の受け付け数が増加傾向にあるものの、単に虐待件数がふえたのではなく、各種取り組みにより、虐待に関する市民や関係機関のアンテナの感度とともに、子ども自身の意識が高まった効果であると評価していた。
子育て支援と虐待防止の理念を条文化し、全市一丸となって、その推進に努める浦安市の取り組みは、大いに参考になるものであった。
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