令和6年11月所信表明
令和6年第4回市議会定例会に当たり、ここに議長のお許しをいただきまして、私の市政に対する所信を述べさせていただきます。
私は、この度の市長選挙におきまして、多くの市民の皆様から温かい御支援と御支持をいただき、6期目の市政運営をお預かりすることとなりました。
今回の選挙結果につきましては、私のまちづくりのビジョンを丁寧に説明してきたことで多くの方々に御賛同をいただくとともに、5期20年の様々な経験により培ってきた「判断力」と、現場の状況に柔軟に対応したスピーディな「決断力」、決して諦めない信念を持った「実行力」をこれまで以上に発揮することに期待をいただいた結果であると受け止めており、改めて、身の引き締まる思いであります。
本市を取り巻く社会経済環境は、少子・超高齢社会の進行や長引く物価高騰、自然災害の増加・激甚化など、大きく変化しており、特に本格化する人口減少は待ったなしの状況であります。
このような、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代におきましても、子どもから高齢者まで、誰もが豊かで便利に安心して暮らすことができ、夢や希望がかなうまち「スーパースマートシティ」を実現すること、これこそが私の最大の使命であると確信しております。
この「スーパースマートシティ」の実現を更に加速させることで、全国の中の「宇都宮」、世界の中の「宇都宮」として存在感を備えるとともに、国内外からの投資を呼び込み、「稼ぐ力」を創出するため、自らを律しながら、山積する課題に正面から向き合い、市民の皆様から信頼される市政運営に、身命を賭して取り組む所存であります。
こうした決意の下、私の6期目に当たりまして、「スーパースマートシティ」の実現に向けた市政運営の方針を申し上げます。
1つ目に、市民の皆様の「安全・安心の確保」に最優先で取り組んでまいります。
まず、長引く物価高騰に対して適切な支援を講じながら、市民生活や事業活動への影響を最小限に抑えてまいります。
また、地震や風水害など自然災害が増加・激甚化する中、その備えを強化するため、河川整備や田んぼダムの普及促進、内水氾濫対策など、総合的な治水・雨水対策を更に進めるとともに、災害時の避難生活において衛生面を向上する「トイレカー」の配備、女性や乳幼児用備品などの備蓄品の拡充をはじめ、通信可能な情報インフラの確保など、避難所環境の充実を図ってまいります。
2つ目は、これからのまちづくりを担う「人」づくりであります。
まず、将来を担う「宮っこ」が、のびのび、すくすくと育つことができるよう、全天候型の子どもの遊び場を増設し、天候や気温に左右されない「遊び」の環境を充実するとともに、年間を通して小中学校の水泳授業にも利用できる全天候型プールの市内5か所での整備を推進し、「学び」の環境を充実してまいります。
また、結婚から妊娠、出産、子育てまでの希望を叶える支援を更に充実するため、結婚活動支援事業を推進するほか、市立の小中学校の給食費について、所得などの制限を設けず、全ての児童・生徒に対して、市独自に助成し、保護者負担の軽減を図るとともに、将来的な無償化に向け、国や県と連携するなど、子育て・子育ちのサポートを行い、全国トップクラスの子育て・教育環境をより一層向上させてまいります。
さらに、将来を担う若者が、自己実現に向けて新たな一歩を踏み出せるよう、若者同士が交流を深め、主体的に活動できる環境を充実してまいります。
3つ目は、絆を深め、共に支え合う「地域共生社会」の実現であります。
まず、シニア世代が楽しくいきいきと暮らせるよう、移動販売の実施や交流の場を整備するとともに、高齢者外出支援事業で付与される福祉ポイントをタクシーでも利用可能とするなど、快適に移動できる環境づくりに取り組んでまいります。
また、障がい者の地域生活を支援するため、一般就労に向けた支援や福祉的就労の工賃の引上げに取り組むほか、「親なき後」も安心して暮らせるよう成年後見制度や生活支援サービスにつなげるサポートを強化するとともに、障がい者を支える介護職員の資格取得と処遇改善を支援することで、将来にわたり専門性の高いサービスを提供できるよう取り組んでまいります。
さらに、女性が今まで以上に活躍できる社会を実現できるよう、市役所に女性活躍を推進するための組織を新設し、育休の積極的な取得や多様な働き方の推進など、働きやすく、職場復帰しやすい環境づくりに向けて市内企業を支援するとともに、女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」の活用を促進するなど、取組を充実してまいります。
4つ目は、人・モノ・情報が行き交う「地域経済循環社会」の実現であります。
まず、地域産業の活性化と雇用の創出を図るため、早期の新産業団地整備に向けて着実に取り組むとともに、中小企業・小規模事業者の活力向上と人材育成を支援するほか、スポーツコンソーシアムによるスポーツ産業化を促進してまいります。
また、食の安全安心を守り、持続可能で力強い「農業王国うつのみや」を実現するため、担い手の高齢化等により遊休農地の増加が懸念される中、農地を守る公共性の高い受皿組織を強化するなど、安心して営農できる環境づくりに取り組んでまいります。
さらに、新ブレックスアリーナの整備支援など、プロスポーツチームの活動環境を整備するとともに、「宇都宮ジャパンカップ」や「3x3」に続く世界大会の開催などにより、市内外からの新たな交流を促進し、活気やにぎわいを創出するなど、都市の魅力がより一層高まるよう取り組んでまいります。
5つ目は、二酸化炭素排出量を実質ゼロとする「脱炭素社会」の実現であります。
もったいないの精神に基づいた脱炭素型ライフスタイルの推進や再生可能エネルギーの地産地消などによる「ゼロカーボンシティ」の実現に向け、公共交通の利用促進やバス・タクシーなどのEV化を進め、「ゼロカーボンムーブ」を更に推進するとともに、「脱炭素先行地域」を中心として、官民連携による太陽光発電など、再生可能エネルギーの供給と利用の拡大に向けた取組を着実に進めてまいります。
6つ目は、まちづくりの基盤である「NCC」の形成であります。
まず、地域拠点でのスーパーや診療所などの生活利便施設の立地誘導を更に促進し、利便性を高め、生活の質の向上を図ってまいります。
また、都心部におきましては、JR宇都宮駅西口周辺の再整備や「宮の橋からバンバ・桜通り十文字まで」の官民一体となった開発、パルコ跡の有効活用を進めるとともに、オフィス・商業・サービス産業の立地促進による中心市街地の昼間のにぎわいづくりなどにより、拠点性の更なる向上を図ってまいります。
そして、駅西側のライトラインは2030年の運行開始を目指すとともに、これを基軸とした階層性のある公共交通ネットワークを築き上げてまいります。
そのため、東武宇都宮駅との効果的な連携を進めるほか、バス路線と地域内交通の充実、シェアリングモビリティの増設など、公共交通の更なる利便性の向上に取り組んでまいります。
最後はデジタル技術の活用であります。
こうした「スーパースマートシティ」を構成する「地域共生」、「地域経済循環」、「脱炭素」の3つの社会や「NCC」の構築を更に加速させるため、産業・経済の活性化や行政サービスの更なる充実などに、デジタル技術を最大限活用し、本市のDXを推進してまいります。
また、デジタルに不慣れな方でも、その恩恵を享受できるようデジタルデバイド対策を強化し、市民の誰もがデジタルを安心して利用できる環境づくりに取り組んでまいります。
これらの取組は、これまで、市民の皆様と共にまちづくりを進める中でチャレンジすべきと考えた取組ばかりであり、一朝一夕に実現できるものではなく、また、行政の力だけで成し得るものでもありません。そのため、市民・事業者・地域団体・行政など、多様な主体が持つそれぞれの強みを生かし、共に創り上げる「共創」により、取組を進めてまいりたいと考えております。
私は、このすばらしい宇都宮市を築いてきた先人の皆様の思いを引継ぎ、更に発展できるよう、これからの4年間におきまして、今を生きる市民のため、未来を生きる世代のため、決して慢心することなく初志貫徹で、誰もが幸せに暮らすことができる、50年、100年先も持続可能なまちの実現に全力を尽くしてまいります。
市民の皆様、市議会の皆様の御理解と御協力を重ねてお願いいたしまして、私の所信とさせていただきます。
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