女性の声がまちを変える ~アイスランド『女性の休日』から考える宇都宮の未来~【女性活躍推進専門官 川面 充子 氏】
女性の声がまちを変える ~アイスランド『女性の休日』から考える宇都宮の未来~
宇都宮市 女性活躍推進専門官 川面 充子 氏

プロフィール
・パルティで広報・調査研究事業に従事、高根沢町町議を経て、法政大学大学院にて女性労働やキャリア形成を研究し、2013年より宇都宮大学に勤務
・県内で男女共同参画の講演やシンポジウムのファシリテーターなどを数多く務める。
・本市では、「男女共同参画推進フォーラム」の基調講演や幹部職員に向け「男女共同参画推進リーダー研修」講師を担当
R7年6月宇都宮市女性活躍推進専門官就任
講演内容(要約)
1. アイスランドの「女性の休日」と無償労働の可視化
1975年にアイスランドで行われた「女性の休日」は、人口の約90%の女性が参加した歴史的な行動である。
家事や育児といった、日常の中で見えにくい形で社会を支えている無償労働を可視化することが大きな目的であった。実際に女性たちが仕事や家庭内労働を休んだことで、魚の加工工場や病院、学校など、社会の様々な機能が停止し、女性の役割の重要性が広く認識された。
この経験を契機として、アイスランドは男女平等が進展し、現在では男女平等ランキングで長年上位を維持し、幸福度も高い国として知られている。
2. 意思決定への参画と「多様な視点」
単に声を上げるだけでなく、政治や企業などの「意思決定の場」に女性が参画することが重要である。
1975年当時のアイスランドは、日本の高度経済成長期と同様に男性中心の社会構造であったが、意思決定層に多様な人々が加わることで、社会の前提そのものが見直されていった。
3. 共感を生むための緻密な戦略と合意形成
9割もの高い参加率を実現できた背景には、対立を避け、より多くの人を巻き込むための戦略があった。例えば、抵抗感を感じやすい「ストライキ」という言葉ではなく、「休日」という誰もが参加しやすい言葉に置き換えるなど、「妥協する勇気」を持っていた点が特徴的である。また、「自分たちの不満」ではなく、「国をより良くする」という大きなビジョンを共有し、半年以上にわたる対話を通じて合意形成を図った。
4. 日本・栃木県の現状と「分断」の課題
現代の日本(栃木県)における課題として、構造的な格差と社会の分断を指摘する。
30代以降の賃金格差
⇒ある組織のデータでは、30代以降に男性の賃金が伸びる一方、女性は「マミートラック(育児によるキャリアの停滞)や管理職登用の少なさ、更には男性の長時間労働といった構造的な要因により格差が拡大している。
社会の分断
⇒正社員と非正規雇用、働く女性と専業主婦など、立場の違いによって社会が細分化されている。
その結果、現代社会は価値観や立場の違いによる「分断」が生じやすい状況にある。
5. 宇都宮の未来に向けて:誰も置き去りにしない(宇都宮市への提言(まとめ))
次世代への視点
⇒「自分たちの不満」を語るのではなく、「次世代の子どもたちのために何ができるか」などの共通の目的を持つことが重要ではないか。
見えない10%への想像力
⇒制度や環境の中で「参加できない人」が存在している。その背景や構造に目を向けることが求められる。
違和感の言語化
⇒100%の合意は難しくても、対話を諦めず、自身の感じる「違和感」を言語化して伝えていくことが、誰も置き去りにしない社会への鍵となる。
このページに関するお問い合わせ
総合政策部 女性活躍推進課(市役所5階)
電話番号:028-632-2346 ファクス:028-632-5422
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。













