令和8年度施政方針
令和8年第1回市議会定例会の開会に当たり、私の市政運営に対する所信の一端を申し上げるとともに、議案第18号から第31号までの令和8年度宇都宮市一般会計予算及び特別会計予算の大綱につきまして御説明申し上げ、議員各位を始め、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
市政運営の基本方針
それでは、「市政運営の基本方針」につきまして、述べさせていただきます。
本市におきましては、人口減少・少子超高齢化の中にありましても、持続的に発展できるよう、今を生きる市民と次世代の子どもたちが豊かで便利に安心して暮らすことができ、夢や希望がかなうまち「スーパースマートシティ」の実現に向けて取り組んでまいりました。
具体的には、ライトラインの整備をはじめとした、持続可能な都市構造である「NCC」の形成や、全国トップクラスの子育て・教育環境の充実、地域資源をフル活用した地域経済の活性化に取り組むなど、本市に「人を呼び込み・稼ぐ力」をもたらす未来への投資を戦略的に進めてきたところであります。
こうした未来志向のまちづくりが国内外から多くの注目を集め、民間調査機関による「共働き子育てしやすい街ランキング」において5年連続でトップ5に位置するなど、常に高い評価をいただくとともに、民間投資や経済活動が活発化し、過去最大規模に上る市税収入をはじめ、高い経済波及効果を創出するなど、様々な効果が発現しております。
また、高市政権におきましては、現在、「責任ある積極財政」の考え方の下、様々なリスクや社会課題に対し、先手を打って戦略的な投資に取り組むとしておりますが、本市においては、既に、社会課題をいち早く先取りし、独自性のある政策を全国に先駆けて展開してきたところであります。
本市は、令和8年度に市制130周年の節目の年を迎えます。そのテーマとして、「共に創り 輝き続ける うつのみや 未来を拓く まちづくり」を掲げました。
これは、本市の歩みを振り返り、市民の本市への愛着や誇りを高め、「スーパースマートシティ」の実現に向けたまちづくりを着実に進めることで、本市が、多様なライフスタイルや価値観に柔軟に対応し、市民の自己実現を下支えする基盤として、また、投資・経済活動のフィールドとして、多くの人や企業に選ばれる「しなやかで活力みなぎる都市のロールモデル」となり、全国の地方創生をリードするという思いを込めたものであります。
こうしたことを念頭に置き、新年度におきましては、これまでのまちづくりの流れを止めることなく、市民の生命や安全・安心な暮らしを守ることはもとより、物価高騰の長期化など、社会経済環境が厳しい中にありましても、限りある行財政資源を最大限効果的・効率的に活用しながら、未来への投資を更に進めてまいります。
そして、市民活動・事業活動の活発化を促進し、市民のウェルビーイングと本市の魅力が一層向上する好循環を生み出していく所存であります。
このような決意の下、新年度は、「安全で安心して生活できるまちづくり」や、多様な「人」の呼び込みと活躍の促進、「NCC」を土台とした「地域共生社会」「地域経済循環社会」「脱炭素社会」の3つの社会の構築に、より一層取り組んでまいります。
まずは、「安全で安心して生活できるまちづくり」として、長引く物価高騰への対策を講じるとともに、近年の気候変動に伴う河川の溢水被害や熱中症リスクの増加への対策を強化するほか、激甚化・頻発化する自然災害や、消防・救急需要の増大への対応力強化を図ってまいります。
次に、本市の人口動態における社会増の状況を維持し、自然減の状況を改善するため、本市のこれからを担う多様な「人」の呼び込みと活躍を促進してまいります。
まず、市民の結婚から子育ての希望をかなえるため、子育て世代に寄り添った支援を幅広く展開するとともに、本市の宝である宮っこがのびのびと成長できるよう、天候に左右されず活動できる場の整備や、学校教育環境の向上、文化資源を活用した「人」づくりの機会の充実などに取り組んでまいります。
また、高齢者をはじめ、誰もが健康で活発に生活できるよう、市民が生涯を通じてスポーツをする場を充実させるとともに、高齢者の外出支援策の強化を図ってまいります。
その上で、東京圏から本市への移住・定住の促進に引き続き取り組むほか、様々な分野で活躍できる人材の育成・確保に向け、本市における女性活躍ムーブメントを更に拡大するため、ネットワーキングや好事例の横展開を促進する「場」を構築するとともに、その他様々な分野においても、交流・対話の機能を充実してまいります。
次に、持続可能なまちづくりの土台である「NCC」の形成に向けましては、JR宇都宮駅西口周辺地区や大通り沿線において、ウォーカブルなまちなか空間の形成を官民一体となって進めてまいります。
また、階層性のある公共交通ネットワークを構築するため、駅西側へのライトライン延伸に向けた取組などを着実に進めるとともに、3月に概成する「3環状12放射道路」をはじめ、都市の骨格となる道路ネットワークの機能強化に取り組んでまいります。
次に、絆を深め、共に支え合う「地域共生社会」の構築に向けましては、地域コミュニティの核となる自治会の加入促進や負担軽減などに向けた支援を一層充実してまいります。
また、障がい者とその介護者が、将来にわたり安心して日常生活を送れるよう、親なき後を見据えた相談体制の強化や支援の充実を図るとともに、「児童相談所」の設置など、地域社会が一体となって宮っこを守り・育てる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、人・モノ・情報が行き交う「地域経済循環社会」の構築に向けましては、企業の立地・定着を一層促進するとともに、地域の農業を守り、安定して食料を供給できるよう、農業生産の維持に向けた体制・機能の強化を図ってまいります。
また、新たなアーバンスポーツの拠点である「アークタウン宇都宮」をはじめ、魅力あるスポーツ資源をフル活用し、更なるにぎわいを創出するなど、交流人口の増加に向けた取組を更に充実してまいります。
さらに、CO2排出量を実質ゼロとする「脱炭素社会」の構築に向けましては、引き続き、「脱炭素先行地域」を中心とした官民連携による再生可能エネルギーの供給と利用の拡大を推進してまいります。
また、公共交通の脱炭素化を促進するため、電気バスの導入などに対する交通事業者への支援を一層充実させるとともに、ごみの資源化と適正処理の推進に向けた機能強化を図ってまいります。
予算編成の基本方針
このような基本方針の下、「予算編成の基本的な考え方」につきまして、御説明申し上げます。
本市における令和8年度の財政見通しにつきましては、自主財源の根幹を成す市税収入について、企業収益の増加や賃金上昇に伴う給与所得の増により、令和7年度当初予算から54億円余増の1、037億円余となり、初めて1、000億円台に達するとともに、過去最大を更新するものと見込んでいるところであります。
また、歳出面では、賃上げや物価上昇を背景とした人件費の増に加え、高齢化の更なる進行や子ども・子育て支援の充実などによる扶助費の増などにより、消費的経費が54億円増となるとともに、投資的経費についても、北西部地域体育施設建設事業の進捗などにより、5億円増と見込んでいるところであります。
このような中、新年度の予算編成に当たりましては、「持続可能な財政構造」を確立するため、施策・事業の再構築や選択と集中の徹底など、財源確保に向けた取組を強力に推進するとともに、物価上昇から市民の暮らしを守りつつ、50年先、100年先も発展し続ける都市を実現するため、新たな交流や投資を一層促進し、地域全体で「稼ぐ力」を高める取組を優先化・重点化することなどにより、「スーパースマートシティ」の具現化を着実に推進することといたしました。
このような基本的な考え方の下に編成いたしました一般会計当初予算案は、前年度当初予算額に対しまして、2.5パーセント増の2、465億5、000万円を計上したところであります。
また、10の特別会計の予算額1、336億円余と3つの企業会計の予算額612億円余を合わせた予算の総額といたしましては、前年度の当初予算総額に対しまして、3.6パーセント増の4、414億円余を計上したところであります。
主要な施策
次に、「主要な施策」につきまして、「第6次総合計画後期基本計画」の施策の体系に基づき、その概要を御説明いたします。
はじめに、第1「子育て・教育の未来都市」についてであります。
まず、「全ての子どもが安心して健やかに成長できる社会の実現」につきましては、保育施設等における給食費の保護者負担の軽減を引き続き行うとともに、市立小・中学校の給食費の更なる負担軽減を実施するほか、田原コミュニティプラザの施設改修により、全天候型子どもの活動の場の整備を進めてまいります。
また、児童相談所の令和12年度内の供用開始を目指し、施設整備に係る基本設計に着手するなど、着実に整備を進めてまいります。
次に、「誰もが夢や希望を持ち必要な教育を享受できる社会の実現」につきましては、教育環境の充実に向け、小学校における児童生徒用1人1台端末の計画的な更新や、中学校における部活動の地域展開を進めるとともに、学校における働き方改革の推進や学校教育の質の向上を図るため、校務情報や各種業務をクラウド上で一元化し、効率的に運用できる次世代システムの構築に取り組んでまいります。
また、酷暑による熱中症から子どもを守るため、中学校武道場の空調設備につきましては、全校への導入完了に向けて整備を進めてまいります。
次に、「誰もが生涯を通じてスポーツを楽しむ社会の実現」につきましては、北西部地域体育施設の令和9年度供用開始に向けて、民間活力を活用した整備を進めてまいります。
第2は、「健康・福祉の未来都市」についてであります。
まず、「誰もが心身ともに健康に生活できる社会の実現」につきましては、令和8年4月から、妊婦を対象にRSウイルスワクチンの定期予防接種を開始するとともに、高齢者を対象とした肺炎球菌やインフルエンザの定期予防接種におきましても、新ワクチンによる接種を実施してまいります。
また、初期救急医療体制の充実など地域医療の更なる推進を図るため、「地域医療計画」の策定に向けた調査に取り組んでまいります。
次に、「あらゆる市民が安心し支え合いながら、自立して生活できる社会の実現」につきましては、高齢者の方がこれまで以上に外出するきっかけとなるよう、高齢者外出支援事業におけるタクシー利用に向けたシステム構築を進めるとともに、障がいのある人の「親なき後」の支援として、「親なき後相談窓口」を開設するほか、一般就労に向けた資格取得費用の助成制度の創設など、支援の充実に取り組んでまいります。
第3は、「安全・安心の未来都市」についてであります。
まず、「誰もが安全・安心に日常生活を送ることができる社会の実現」につきましては、治水対策の加速化を図るため、奈坪川の特定都市河川の指定に必要となる調査業務を行うとともに、河川・道路排水施設の整備やアンダーパスにおけるエアー遮断機の整備など、総合的な治水・雨水対策に引き続き取り組むほか、南消防署の機能強化に向けて、移転・改築工事を進めてまいります。
また、高齢者による交通事故の防止を図るため、運転免許証を自主返納した際に、公共交通で使用できるポイントを付与するためのシステム構築を進めてまいります。
次に、「市民が互いに尊重し、支え合う社会の実現」につきましては、 自治会活動の支援や活性化を図るため、「自治会運営支援アプリ」の導入や、自治会内の交流・加入促進の強化支援などに取り組んでまいります。
また、あらゆる分野における女性の活躍を推進するため、交流・対話の場となるプラットフォームや、交流・相談・情報発信等を行う総合サイトの構築・運用などを進め、「女性活躍リーディングシティうつのみや」の実現に向けて、取組を充実させてまいります。
第4は、「魅力創造・交流の未来都市」についてであります。
まず、「地域資源を守り、活用した賑わいと活力ある社会の実現」につきましては、アークタウン宇都宮において、本年11月に本市で初めての国際大会となる「ワールドスケートボーディングツアー」の開催に向けて取り組むとともに、本市を拠点とするプロスポーツチームの活動環境の整備などを進めるほか、市制130周年記念事業と併せて、沖縄県うるま市の「肝高の阿麻和利」公演を開催してまいります。
次に、「着実な定住の促進や移住・関係人口の増加による持続可能な地域社会の実現」につきましては、都市ブランド戦略を一層強化するため、デジタルデータに価値を持たせる技術であるNFTを活用した愉快市民証の配付などを通じて、市内外のコアファンを獲得するとともに、東京圏におけるシティプロモーションを展開してまいります。
第5は、「産業・環境の未来都市」についてであります。
まず、「各種産業の強みを生かした持続的に発展する社会の実現」につきましては、令和7年度に策定した「新産業団地基本計画」を踏まえ、新たな産業団地の整備に向けた取組を進めるとともに、災害リスクが低く、大規模電力の安定供給が可能な地域特性を生かした「データセンター」の立地誘導に向けた取組を推進してまいります。
また、市民への食料安定供給体制を確保できるよう、本市独自の地域循環型食料システムの構築に向けて取り組むとともに、農地を農地として守り、生産力を維持していくため、引き受け手のいない農地の受け皿組織の整備に向けた検討を進めてまいります。
次に、「脱炭素で循環型、自然共生社会の実現」につきましては、カーボンニュートラルの実現に向け、脱炭素先行地域における取組を着実に推進するとともに、プラスチック製品の資源化に向け、エコプラセンター下荒針の設備改修工事を進めてまいります。
第6は、「交通の未来都市」についてであります。
まず、「魅力的で持続可能な都市空間の形成」につきましては、魅力ある都市空間の形成や交通結節機能の強化を図るため、JR宇都宮駅西口周辺地区整備の推進や駅西口南地区の再開発など、民間開発事業への支援を進めるとともに、NCCのまちづくりの更なる推進に向けた今後の施策検討の基礎資料とするため、土地利用や都市交通に係る調査業務を行うほか、令和9年3月の供用開始に向け、民間活力を活用した八幡山公園の施設整備を進めてまいります。
また、上下水道サービスにおきましては、DXの推進として、スマート水道メーター導入に向けた料金システムの改修や、ドローンの活用など維持管理における新技術の導入に取り組むとともに、安全・安心でおいしい水道水の安定供給や下水の適正処理、さらに、基幹施設・管路の老朽対策・耐震化による強じんなライフラインの構築を着実に進めてまいります。
次に、「誰もが快適に移動できる総合的な交通ネットワークの実現」につきましては、ライトラインのJR宇都宮駅西側延伸に向けて軌道詳細設計等に取り組むとともに、バス路線の再編に向けた検討を更に進めてまいります。
また、広域的な道路ネットワークの強化に向けて、(仮称)大谷スマートインターチェンジの整備を着実に進めるほか、いちょう通りの交差点改良に着手してまいります。
最後に、「各政策の柱を支える行政経営基盤」についてであります。
まず、共にまちを創り上げるパートナーとなる事業者・団体等の「交流・対話」の機会を創出し、共創のまちづくりの機運醸成を図るとともに、本年4月に市制130周年を迎えるに当たり、記念事業などを通じて市民の皆様とその意義を共有し、まちへの愛着と誇りの醸成に努めてまいります。
また、財政基盤の強化を図るため、都市の魅力発信などの知見を有する「地域活性化起業人」を起用し、ふるさと納税の更なる獲得に向けて取り組んでまいります。
さらに、限られた経営資源を有効に活用するとともに、職員がやりがいを持って生き生きと働ける環境づくりを進めることで、社会や暮らしの変化に対応した質の高い公共サービスの提供に努めてまいります。
ただ今申し上げた「スーパースマートシティ」の実現に向けた様々な施策を着実に推進する執行体制の整備といたしまして、児童相談所の開設に向け、子ども部に課相当の組織として「児童相談所開設準備室」を設置するほか、新たな産業団地の着実な整備に向け、産業政策課に「新産業団地整備室」、地域循環型食料システムの構築など戦略的な農政の推進に向け、農業企画課に「農政戦略室」、スポーツ施設の着実な整備に向け、魅力創造部に課相当の組織として「スポーツ施設整備室」、上水道施設の効果的な更新・維持管理に向け、課相当の組織として「水道施設管理センター」を設置するなど、柔軟で機動的な執行体制を整備してまいります。
むすび
以上、市政運営に関する私の所信の一端と、令和8年度当初予算案の大綱などにつきまして申し上げました。
これらの施策を着実に推進することで、将来の予測が困難な時代の中にありましても、本市の前途を明るく照らしていけるよう、私が先頭に立って、市政運営に全身全霊を尽くして取り組んでまいります。
市制130周年にふさわしい活気に満ち溢れた1年となるよう、全市を挙げて盛り上げてまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様には、なお一層の御支援と、御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
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