自殺予防・こころの健康づくり対策
自殺の現状
日本の年間の自殺者数は、警察庁の自殺統計資料によると、平成10年以降、14年連続して3万人を超える状態が続いています。これは、平均すると毎日80人以上の人が自らいのちを絶っていることになり、交通事故による死亡の約6倍です。
また、栃木県では毎年500人前後、本市においては100人前後の方が自殺で亡くなられており、全国と同様に深刻な状況です。
自殺は追い込まれた末の死
自殺は「追い込まれた末の死」であり、その背景には精神保健上の問題だけでなく、その他の健康問題、経済・生活問題、人間関係の問題などが複雑に関係しています。自殺に追い込まれる直前は、大多数の方が精神疾患を発症していると言われます。
うつや不眠のサインを見逃さないで
自殺に関係する精神疾患の中で、代表的なものにうつ病があげられます。
あなたの「うつ度」自己チェックリスト
次の項目のうち、2つ以上あてはまり、その状態が2週間以上、ほとんど毎日続き、生活に支障が出ている場合には、うつ病の可能性を考えて見ましょう。
- 毎日の生活に実感がない
- これまで楽しんでやれていたことが、楽しめなくなった
- 以前は、楽にできていたことが、いまではおっくうに感じられる
- 自分が役に立つ人間だと思えない
- わけもなく疲れたように感じる
その他、こんなサインはありませんか
睡眠障害
朝早く目が覚める、疲れているのに眠れない、寝酒しないと眠れない
身体症状
だるい、頭痛、体重減少、食欲がない、腰痛、めまい、首・肩こり、疲れが取れない、動悸、めまい
気力低下
やる気が出ない、能率があがらない、集中力がない、性欲がない
このチェックだけでうつ病の診断が決まるものではありません。
ただし、上記の項目にあてはまればうつ病である可能性が高いと考えられますので、専門の医療機関(精神科、心療内科など)を受診することをおすすめします。
「アルコール」との上手な付きあい方
適度な飲酒は、気持ちがリラックスできて楽しいものです。しかし、度を超えた多量の飲酒は体に害を及ぼすだけでなく、うつ病を引き起こし自殺のリスクを高めるとも言われています。
厚生労働省によると、アルコール依存症の人はそうではない人と比較して自殺の危険性が約6倍高いとされています。また、自殺の直前に飲酒する割合が高いことも知られています。
あなたのお酒の飲み方自己チェックリスト
次の項目のうち、2つ以上あてはまるのであれば、たとえ仕事ができていたとしても、アルコールの飲み方に問題があります。専門医への相談をお勧めします。
- 飲酒量を減らさなければならないと感じたことがある
- 他人があなたの飲み方を非難するので、気にさわったことがある
- 自分の飲酒について、悪いとか申し訳ないと感じたことがある
- 神経を落ち着かせたり二日酔いを治すために「迎え酒」をしたことがある
「節度ある適度な飲酒」とは
厚生労働省が提唱する「節度ある適度な飲酒」は、純アルコールで1日約20グラム程度。適正飲酒量を守って、節度ある飲酒を楽しみましょう。
(注意)「10グラムのアルコールを含む飲料を1ドリンク」と定義したとき、純アルコールで1日に約20グラム、つまり2ドリンクが適量な量となります。
(例)ビール中ビン(500ミリリットル1本)は2ドリンク、日本酒1合は2.2ドリンク、ウィスキーシングル1杯は1ドリンク(女性や高齢者はこの半分の量が適量です。)
大切な人のいのちを自殺から守るために
自殺予防の4つのヒント
自殺に関する意識調査において、「自殺したいと思ったことがある」と答えた人のうち、それについて誰にも相談したことがない人が、約6割をしめているそうです。
日頃から、支え合いの気持ちで互いの様子に目を配り、ちょっと気になることがあったら、一声かけるなど、家族や地域のつながりを大切にしましょう。
また、自殺のサインに気づいたら、早めに専門の医療機関や相談機関に相談するように促しましょう。
- 「気づき」
- こころの不調を示すサインなど「自殺のサイン」に気づきましょう
- 「傾聴」
- 本人の気持ちを尊重し、耳を傾けましょう
- 「つなぎ」
- 早めに専門の医療機関や相談機関に相談するように促しましょう
- 「見守り」
- 温かく寄り添いながら、じっくりと見守りましょう
自殺予防の10箇条
次のようなサインを数多く認める場合は、自殺の危険が迫っています。早めに、専門の医療機関や相談機関に相談することをすすめましょう。
- うつ病の症状に気をつけよう
(気分が沈む、自分を責める、仕事の能率が落ちる、決断ができない、不眠が続く) - 原因不明の身体の不調が長引く
- 酒量が増す
- 安全や健康が保てない
- 仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う
- 職場や家庭でサポートが得られない
- 本人にとって価値のあるもの(職、地位、家族、財産)を失う
- 重症の身体の病気にかかる
- 自殺を口にする
- 自殺未遂におよぶ
自殺予防・こころの健康づくり対策ガイドブック
ガイドブックを参考に、必要な時にお役立てください。
自殺予防のためには、自殺やうつ病のサインに早めに気づいて、医療へつなげることが重要ですが、自殺の危険がある人を孤立させないこと、相談を受けた時には傾聴することがとても大切です。
自殺予防の4つのヒントを中心に、こころの病気や対応方法についてまとめています。
あなたの大切な人が、「もしかして自殺を考えているのかも」といった印象を受けたら、ガイドブックを参考に、そのことについて直接質問をしてもかまわないので、まず話をするようにしてください。
そして、早めに専門の医療機関や相談機関(宇都宮市こころの相談ネットワーク)に相談するように促しましょう。
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このページに関するお問い合わせ
宇都宮市保健所 保健予防課 保健対策グループ
電話番号:028-626-1116
住所:〒321-0974 宇都宮市竹林町972
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