ボツリヌス菌食中毒
ボツリヌス菌の特徴
ボツリヌス菌は芽胞の状態で土、河川、泥砂など自然界に広く分布し、酸素の少ないところで増殖する性質(嫌気性)があります。この菌は耐熱性の芽胞を形成するため、高温でも死滅せず、生き残ります。また、ボツリヌス菌は発芽し、増える際に毒素をつくります。この毒によって食中毒が起きます。
なお、この食中毒のほとんどは自家調製品によって起こっています。
主な原因物質
缶詰食品、びん詰食品、魚肉発酵食品(いずし、きりこみ)など
主な症状
めまい、発語障害、嚥下障害、閉尿、著しい脱力感などの神経症状
(注意) 呼吸困難で死にいたる場合もある
潜伏期間
8時間から36時間程度
(注意) 潜伏期間:菌が付着している食品を食べてから発症するまでの時間のこと
予防のポイント
- 新鮮な食材を十分洗浄してから調理に使用しましょう。
- 調理はできるだけ低温ですばやく行いましょう。
- 魚肉発酵食品は酢などで酸性度(すっぱくなる)を上げて浸け込むようにしましょう。
- 食肉製品や魚のスモークを作る場合は十分加熱しましょう。
- 真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭があるときは食べないようにしましょう。
- 食品の保存方法を表示できちんと確認しましょう。
(注意)レトルトパウチ食品(容器包装詰加圧加熱殺菌食品)や多くの缶詰は、しっかり加熱殺菌が行われており安全ですが、レトルトパウチ食品とよく似た包装でも、冷蔵保存が必要な食品もあります。
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