平成12年度行政改革推進懇談会の概要
日時
平成13年3月27日(火曜日)午後1時35分から午後3時50分
会場
宇都宮市役所16階 中会議室
出席者
- 委員
福嶋委員、赤塚委員、杉原委員、熊倉委員、中田委員、松本委員、有馬委員、菊池委員、小林委員、桜井委員、阿久津委員、増田委員 - 市側
総務部長、市民生活部長、総務部次長、財政課長、人事課長、事務管理課長、事務管理課長補佐、事務管理課管理係長、市民生活課自治振興係長、企画審議室主査、事務局職員
公開
傍聴人数 1人
会議経過
1 開会
- あいさつ(総務部長)
- 委員紹介
2 議事
(1) 座長の選出について
⇒委員の互選により、福嶋委員を選出。座長からあいさつ
(2) 第2次行政改革の取組状況等について
ア 第2次行政改革実施計画取組課題 平成12年度の取組状況及び結果について
⇒事務局(事務管理課長)から、資料に基づき、以下の事項を説明
- 行政改革全般の概要
- 平成12年度の取組状況及び結果
説明の後、意見交換
委員からの主な意見等(要旨)
委員
- 防災会議は市全体で何回ほど実施しているのか。また、市に大災害があった場合、他自治体からの協力は得られるのか。
事務局
- 市全体と各地区の防災訓練を実施している。市全体の防災訓練は年1回である。また、防災計画(注1)の見直しのため、年1回、警察や自衛隊など関係機関が集まり防災会議を開催している。
委員
- 市医師会では、実際の災害時に具体的にどのように対応するかを話し合っている。市としても、災害時の対応の重要性を踏まえてしっかり取り組んでほしい。
委員
- 防災計画については、自治会の活動が大きく関わってくる。市では防災組織の編成を平成18年度としているが、自治会としては平成13年度に市中心部の防災組織を整備していく。市の動きは遅いのではないか。
- 防災の問題、具体的には備蓄倉庫(注2)の整備について、市は真剣に取り組んでいないのではないか。市の取り組みでは、プレハブの倉庫や学校の教室を利用し、発電機を備え付けているが、発電機に必要なガソリンがなく、どのように対応するのかについても市の対応が示されていない。実際の災害が起きた場合に発電機が使用できない状況も考えられる。連合自治会では、こうした具体的問題に対応できるよう、独自に防災マニュアルを作成しているところである。市も、単に見た目にきれいなパンフレットだけを作るのではなく、しっかりと現実に対応できる取り組みをしていただきたい。
事務局
- 備蓄倉庫のあり方については、現在のところは公共施設の有効活用を図る観点から余裕教室(注3)を活用したところである。緊急時への対応を含め、設置場所についても今後さらに検討していきたい。
委員
- 今年は雪も多く、市でも除雪作業がかなりの負担であったと聞いている。こうした対応については、場合によっては民間への業務委託も考えてはどうか。
事務局
- 除雪作業などの臨時的対応については、道路維持課の補修事務所が行っている。補修事務所から距離がある場所への迅速な対応など、効果的な業務執行体制について、現在、検討を進めているところである。
委員
- 市民参加による対応などを含め、検討していただきたい。
委員
- 審議会等への女性登用や公募委員導入に目標値を掲げていることは良いことであるが、あわせて年齢制限も撤廃していただきたい。公募委員は必ず20歳以上となっているようだが、将来の担い手である高校生や大学生などの意見を取り入れていくことは、非常に重要なことである。例えば、緑化フェアの跡地利用に関する公募委員も20歳以上の制限があったが、緑化フェア会場で実際に遊んだのは主に子どもたちであった。こうした実態からも、実際の利用者層としての若い人、学生などの意見を聞いていただきたい。そうすることで、若者も社会の一員として認められているという認識を持つことができると考えている。
- 市民とのパートナーシップの確立について、市民活動サポートセンター(注4)には約260団体が登録されているが、実際に利用している様子が見受けられない。また、県の施設(パルティ)との機能的な重複が生じているのではないか。今後、センターを効果的に機能させるためには、コーディネーターの活用が必要ではないかと考える。
- 実例として、将来を担う高校生がボランティア部を作り、活動を広めていきたいと考えているが、どのように活動をすればよいか分からず困っている。ぜひ、センターの機能として学校との交流を図り、学生の活動への支援などにも努めていただきたい。
事務局
- 附属機関の委員については、原則として市内に引き続き1年以上居住し、申し込み時の年齢が20歳以上であること、他の附属機関等の委員でないこと、市民の幅広い意見を聞くために公務員を除くことなどについて要領で定めている。これは原則であり、例外規定もある。委員のご指摘である年齢制限であるが、附属機関等の性格によっては18歳以上等での登用なども可能である。実際に、平成12年度には6つの附属機関で公募を行い、そのうち生涯学習推進懇談会では、下は21歳から上は76歳という幅広い年齢構成となっている。今後も現行の要領により、弾力的に運用し、若い市民の積極的登用を進めていきたい。
- 市民活動サポートセンターについては、平成12年10月の開設以来、情報の提供や場所の提供を行っており、利用者の意向を伺いながら、適宜、ボランティアグループの紹介などを行っている。また、広報紙やホームページなどで広報活動を行っており、ホームページは1日50件程度のアクセスがある。今後も、広報啓発活動を積極的に進めながら、より一層の利用促進と、活動の充実を図っていきたい。
委員
- 市民参画の施策について、全体に当てはまることであるが、もう少しきめ細かな、具体的な対応が必要ではないか。例えば、まちづくり懇談会の参加者の構成について、年齢層や性別、生活環境などに偏りが見受けられる。平成13~14年度に懇談会開催地区(注5)の地区割の細分化を行う予定とのことであるが、その際は、職業や家族構成、年齢構成などについて、幅広い生活環境からの多様な意見を取り入れられるようにしていただきたい。
- 防災組織のあり方についてであるが、防災訓練への参加人数が少なく、各種団体の役職者だけが参加している状況である。実際に有事の際行動すべき人が参加していないのではないか。訓練に学校を巻き込んだり、実際の有事に備えて活動の中心となるサラリーマンの方々等の参加を得たりするなど、幅広く偏りのない構成にしていくことが必要であると考える。
- 公民館の整理統合については、統合によって今まであった地域公民館・分館と中央公民館とのつながりが希薄になることが懸念される。地域の意思や要望の反映について、それをどのようにカバーしていくのかが見えてこない。
事務局
- 市民参画の施策に関する行政側の配慮として、市のホームページ、広報紙、FM栃木(ラジオ)等を通じて広報活動を行っているが、ご指摘のように市民全体に情報を伝えるにはまだ足りない部分もあるので今後検討していきたい。
- 防災訓練については、現在、消防本部が各地区に自主防災会(注6)というのを設けており、ここ2年間では、防災訓練に各小学校の児童も参加している。今後とも、より幅広い層の参加を呼びかけていく。
- 公民館の整理統合によって懸念される地域公民館・分館と中央公民館との関係の疎遠についてであるが、時代の流れに対する公民館の役割の変化に対応し、今後はこれまでに公民館が果たしてきた役割を地区市民センターに移し、生涯学習としての機能強化や各地区を主体とした新たなコミュニティ組織づくりに力を入れ、地域の声を反映させていきたいと考えている。
委員
- 防災面の整備になぜ時間がかかるのか。
事務局
- 予算面などで各地区に設置する発電機等のハード面の整備に時間がかかるため、平成18年までとなっている。
委員
- すでに整備された自治会等からの要望はないのか。
事務局
- 資機材等が足らないといった要望はないが、資機材の収納場所に苦慮しているという話は伺っている。倉庫は順次、計画的に整備していく。
委員
- 災害発生時には、機材の活用よりも、まず高齢者や子供たちをいかに避難させるか、そして避難後、物資の配給をどのように行うか等を考え、指導するのが自主防災会本来の役割であると考える。なお、自主防災会の中心には、高齢の自治会長等でなく、若い人たちに活躍して欲しい。また、連合自治会単位では範囲が広すぎる。もっと実情に即したきめ細かい単位での設置が必要である。消火器を配布するという行政の姿勢はいいが、各地で起きた災害を参考に、有事に役立つ自主防災会でなければならない。
- ・婦人防火クラブの「婦人」という言葉は古い。また、婦人防火クラブが自主防災会と別個の組織としてあるので、統合する方向で検討している。
委員
- 平成11年度からの取り組みで予定以上に進んだ分野、あるいは進まなかった分野は何か。
- 中核市を意識しての取組、中核市であるからできるもの、しなければならないものは何か。
- 行革の目的が「経費削減、人員削減等の費用対効果」から「分権化社会にふさわしい行政運営」へと変わっている。削減や廃止ばかりでなく新たに作る度合いはどのようになっているのか。例えば、学区の見直しに伴う子供会や育成会の再編などの対応、また、多様な市民参画に対する呼びかけはうまくいっているが、呼びかけに反応した市民に対する行政の対応がない。呼びかけ後の対応についてのマニュアルを作成する予定はあるのか。
- 行革で目的を達成したものに対するフォローはどうなっているのか。例えば、女性委員の登用等があるが、数字的な目標を達した後のビジョンが見えてこない。男女共同参画を意識した具体的な取り組みがあるのか。
- 最初に行革ありきではないか。公民館の整理統合や保健委員の見直し、補助金の整理統合などがあるが、果たしてなくしてよいのか。議会等で十分審議されたことは理解するが、それで本当によかったのか。住民の声は議員を通してしか届かなくなってしまわないのか。
事務局
- 第2次行革により進んだ点としては、市民への説明責任、公平性の確保、量的削減が挙げられる。一方、市民参画や身近な行政の確保という点は十分に進んでいない点であると受け止めている。
- 中核市を意識した取り組みとしては、現在、地域の中核的な立場、広域行政の立場で行革を進めている。
- 市民参画に関する応対マニュアルについては、まだ未整備である。学区の変更については、地区での懇談会の開催等を踏まえ、進めていくべき大きな課題と認識している。
- フォローアップについては、例えば、今回の課題には挙げていない「まちづくり推進機構(注7)の立ち上げ」がある。これは作るのが目的でなく、今後、どのように進めていくかが本当の課題であるので、引き続き検討していくところである。また、男女共同参画については、今後の取り組みの方向性などについて必要な検討をしていきたい。
- 保健委員の廃止については、地域の健康つくり、コミュニティとの関わり方などいろいろな問題があるので、その期限を13年度末まで延長したところである。今後も行革ありきでなく、実情を踏まえ進めていきたい。
委員
- 行政改革の推進体制はどのようになっているのか。どのように部、課まで降りて、どこが責任を持って行っているのかが分からない。また、終わったものに対する内部のチェック体制はどのようになっているのか。それと部内、課内同士の調整はうまくいっているのか。
- 男女共同参画とあるが、委員の登用ばかりでなく、実務レベルでの計画策定などに女性はどの程度参画しているのか。
事務局
- 推進体制については、内部に行政運営検討委員会があり、その下に市民と行政の新たな関係づくり部会と行政の自己改革部会(図1参照)を設置している。各部会には関連する課題を所管する各課が参加している。進行管理については、各部会を年数回開催して、委員会に報告しているところである。チェック体制についても、事務管理課、人事課及び財政課で組織する企画会議(図1参照)で行っているところである。
- 計画、立案の段階の男女共同参画は全庁的な取り組みとして行っている。本市においては、係長クラスにおいても相当数の女性が登用されており、新規採用では約半分が女性となっているところである。
イ 新たな取組課題について
委員
- 平成13年度の新たな取り組みは小手先に過ぎない。本当に取り組むべきものは、もっと大局的なものでなければならない。例えば、宇都宮のテクノポリス構想があるが、これは現在の経済状況下で本当に必要な事業なのか。今後、市に大きな財政負担を強いることになるので、そのような大きな見地から行革の課題を捉えるべきである。
委員
- 予定価格の公表により入札予定価格に対する落札率(注8)を下げる効果はなかったものの、市民への情報公開、不正防止により、透明性、公平性が確保できたとの記述がある。なぜそう言えるか理由を伺いたい。
- 外部監査制度(注9)を平成11年度から導入しているが、その監査結果はどのように活用されているのか。また、監査委員の権限はどのようなものか。
- 24時間診療体制は、済生会の救急医療を想定しているのか。
- 行政評価制度(注10)の導入によりもたらされたものはなにか。
- 民間委託の推進により削減された職員はどのように配置転換されたのか。また、民間委託により削減された費用の内訳はどうなっているのか。
- 職員提案制度や自主研究グループで行なわれたものについて、民間の自主活動のように全社的に発表し、職員の啓発を図っていかないのか。
事務局
- 予定価格の公表の目的は、適正価格での入札及び入札の公正、透明性の確保が挙げられる。具体的な効果を示すことは難しいと考えるが、客観的に判断し、透明性は確保できたと考えている。
- 外部監査委員の要件としては、弁護士、公認会計士、税理士又は会計検査院の経験者が挙げられる。市では、公認会計士に依頼している。また、職務については、内部の監査委員とほぼ同じであるが、競合しないように事務内容を協議しながら監査を依頼しているところである。
- 24時間診療体制については、基本的に市の夜間休日救急診療所での整備を予定している。市は1次救急を担い、診療の上、必要な場合2次救急機関である済生会等で対応する。
- 行政評価については、12年度に事務事業評価を試行し、取り組みに対する理解を図ってきた。今後、13年度秋までには結果を公表し、意見をいただきながら予算にも反映させていきたい。
委員
- 懇談会としては、より大きなテーマで議論すべきと考える。
- 大綱はその視点として3つのキーワードを挙げている。1つ1つの課題について執行部が説明するのではなく、この3つのキーワードに沿ってどのように実現が図られ、どう変わったのか、どう変えていくのかを説明すべきではないか。キーワードについても1つにくくれるのであれば、焦点がはっきりして議論がしやすい。質を重視した改革といっても、一般の市民にはわかりにくいのではないか。大局的な視点から委員同士のより多くの意見交換が望まれる。
委員
- ふれあい行政サービス運動(注11)の成果であろうか、窓口でのひと言などプラスワンのサービスの応対など効果が出ている点は評価する。行政サービスの基本は情に適い、意に適い、法に適うことが必要であると考えている。今までは、法に適うことばかりに重点が置かれていた。現在は、これに情が入ったことで大変良くなってきている点を指摘しておきたい。
会長
- 懇談会ではキーワードをはっきりさせて、それをもとに議論を交わすことが必要である。事務局の説明が多く、議論する時間が少ないというのは、今後の懇談会の課題である。
- 現在、目に見えるもの、量的なものを具体的にどのようなスケジュールで進め、その結果を報告するという形式になっているが、今後は市が抱えている大きな行政課題を踏まえて議論する余地があってもよいと考える。
- 行革の議論にあたっては、大局的な視点からの議論とともに、具体的なきめの細かい議論も必要ではあろう。職員の意識改革や行革に対する市民意識の反映などについても考える必要がある。
3 その他
[特になし]
4 閉会
【用語解説】
注1 防災計画…災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第42条の規定に基づき、宇都宮市防災会議が作成する計画です。
具体的には、本市、栃木県、指定地方行政機関(宇都宮財務事務所などの国の地方行政機関)等がその有する全機能を有効に発揮して、本市の地域及び施設並びに市民に係わる災害に備え、災害予防対策等の対策を定めることにより、市民の生命、身体及び財産を災害から守ることを目的とする計画です。
注2 備蓄倉庫…災害が発生した直後の市民の生活を維持するため、地震被害想定等に基づく必要量に応じて、食料、給水用資器材等の生活必需品等を備蓄しておく倉庫です。
注3 余裕教室…児童・生徒数の減少等の理由で学級数が減ったことにより小・中学校で利用されていない教室をいいます。
注4 市民活動サポートセンター…ボランティア活動の支援・促進のために平成12年10月に東コミュニティセンター内に設立された施設
注5 懇談会開催地区…「まちづくり懇談会」の開催地区です。本市の将来のまちづくりについて、地域住民の市政に対する意見要望等の生の声を聴き、今後の市政に反映させるため市内各地で「まちづくり懇談会」を開催しています。平成13~14年度は20カ所で順次、開催します。(平成11~12年度は、市内を15地域に分け、開催しました。)
注6 自主防災会…連合自治会などを単位に設置された地域住民による防災組織です。災害時には、電話網や道路等の損壊により、防災関係機関の活動が十分に機能しないなどの事態が予想されることから、地域住民自らが初期消火、救出救護、非難等の自主防災活動を行うことを目的としています。
注7 まちづくり推進機構…市中心市街地活性化基本計画の施策など本市のまちづくりを、民間と行政が連携して推進する中核組織として、平成11年10月に設立しました。
注8 落札率…入札の予定価格に対する落札価格の比率(落札価格÷予定価格)です。
注9 外部監査制度…地方公共団体の体制整備や適正な予算執行の確保を図る観点から、専門的な知識を持つ外部の第三者(弁護士、公認会計士、税理士等)と、地方公共団体が外部監査契約を結び、監査機能の独立性・専門性をより一層充実させるものです。この制度には、監査人が自ら選んだ内容を監査する包括外部監査と、市民などからの請求で監査する個別外部監査があります。
注10 行政評価制度…行政の仕事を効率性や目的に対する効果などの観点から客観的に評価し、評価の結果を内容の見直しに生かしながら、最適かつ質の高い行政サービスの提供をめざしていく仕組みです。
注11 ふれあい行政サービス運動…市民サービスの向上を図り、市民に身近で信頼される行財政運営を推進するために、「心のこもった接遇の推進」や「窓口サービスの充実」等の視点から、本市が取り組んできた事務改善運動です。
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