(12)調理中に変色した食品
1 変色したしらたき
概要
しらたきと里芋の煮物を作ろうとしていたところ、しらたきの色がピンク色になりました。食べられるのでしょうか。
色が変わる理由も気になるので教えてください。
調査結果
しらたきは、原料であるこんにゃく芋由来の成分を固めるために、アルカリ性物質の水酸化カルシウムを加えて製造されています。このため、野菜と一緒に煮ると、野菜のアクに含まれる成分としらたきに含まれるアルカリが反応し、変色することがあります。
今回の事例では、里芋のアクに含まれる成分(ポリフェノールオキシダーゼ)が、しらたきに染み込み、アルカリと反応してピンク色を示すことが確認されました【写真2】。
同じような例として、しらたきは、ごぼうのアク(クロロゲン酸)との反応により緑色【写真3右側】、玉ねぎのアク(ケルセチン)との反応により黄色に変化します【写真3上側】。
対策など
色の成分は無害であるため、変色したしらたきは食べても問題ありません。
対策として、あらかじめ食材を別々に下茹でする、もしくは水にさらすなど、アク抜きをすると変色の原因となる物質を取り除くことができ、しらたきの変色は起こりにくくなります。
2 変色した中華めん
概要
カレー焼きそばをつくろうとして中華めんにカレー粉をまぶして炒めたところ、中華めんの色が赤くなりました。食べられるのでしょうか。
色が変わる理由も気になるので教えてください。
調査結果
中華めんは、特有の味・食感・香りを生むため、小麦粉にアルカリ性物質の「かんすい」を加えて製造されています。
カレー粉には、さまざまな種類のスパイスが使われており、中でもターメリックの色の成分であるクルクミンは、酸性及び中性では黄色、アルカリ性では赤色を示します。
今回の事例を再現するために、中華めんにカレー粉をまぶして炒めてみたところ、「かんすい」由来のアルカリとクルクミンが反応して黄色から赤色に変化することが確認されました【写真6】。
対策など
食べても問題ありません。
また、赤色に変色した中華めんに、酸性の調味料である酢またはウスターソースを和えると、元の黄色へと戻ります【写真7】。
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