ノロウイルスによる感染性胃腸炎の予防
感染性胃腸炎とは
「感染性胃腸炎」は、細菌やウイルスによる胃腸炎の総称です。
全国の定点医療機関からの「感染性胃腸炎」報告数は、例年、冬季に増加する傾向があります。
これら冬季の感染性胃腸炎のうち、特に集団発生例の多くはノロウイルスによるものであると推測されています。
ノロウイルスについて
1 ノロウイルスとは
おう吐や下痢などを引き起こすウイルスです。冬季に患者が増加する傾向がありますが、一年を通じて発生があります。アルコール消毒や低温の加熱では病原性を失わず、感染力が非常に強いのが特徴です。
2 感染経路
患者の便や吐物で汚染された物に触れた手指などを介して、ウイルスが口から入り感染します。汚染物を適切に処理しなかった場合、乾燥して舞い上がったウイルスを吸い込んで感染することもあります。
また、汚染された生ガキなどの二枚貝を十分加熱せずに食べることでも感染します。
3 潜伏期と主な症状
1日から2日の潜伏期の後、おう吐や下痢、腹痛などが見られます。通常、1日から3日で回復しますが、子どもやお年寄りの場合は重症化したり、吐物を誤って気道に詰まらせることがあるので注意が必要です。
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ノロウイルスによる感染症胃腸炎対策マニュアル (PDF 128.8KB)
- ノロウイルスに関するQアンドA(厚生労働省)(外部リンク)
- ノロウイルス感染症(国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト)(外部リンク)
一般的な予防策(家庭でもできる対応)
1 基本的な感染症予防の徹底
「手洗い」と「うがい」は、誰にでも簡単にできる最も効果的な感染症予防の基本です。
2 調理の衛生管理を
食品は十分に加熱(85度から90度で90秒以上)することが大切です。また、まな板や包丁などの調理器具は、洗浄後、熱湯か塩素系漂白剤で消毒するとウイルスの感染性がなくなります。
3 家族内感染の防止
患者の便や吐物には大量のウイルスが含まれていますので、オムツや吐物の処理には十分な注意が必要です。処理をする際は、使い捨ての手袋・エプロン・マスクを着用してください。汚染物はすぐに密閉し、床などが汚れた場合は塩素系漂白剤で消毒すると効果的です。最後に必ず手洗いをしましょう。
消毒について
ノロウイルスに効果があるのは、十分な加熱と塩素系消毒剤(塩素系漂白剤)による消毒のみです。
アルコールなどの消毒剤はあまり効果がないので注意が必要です。
塩素系消毒剤の使い分け
塩素系消毒剤の濃度は、対象によって変える必要があります。
- 汚染度の高いもの(便、吐物など) は、1000ppm(0.1パーセント)
- 汚染度の低いもの(ドアノブ、手すり、床など)は、200ppm(0.02パーセント)
希釈方法
市販の塩素系消毒剤の次亜塩素酸ナトリウム濃度は約6パーセントです。
水1リットル当たりに必要な消毒剤の量は以下のとおりです。
- 1000ppmにするには、消毒剤17ミリリットル
- 200ppmにするには、消毒剤3.3ミリリットル
社会福祉施設で集団発生したときは
社会福祉施設において、感染性胃腸炎の集団感染が疑われる場合は、速やかに保健所保健予防課へご連絡ください。
関連情報
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このページに関するお問い合わせ
宇都宮市保健所 保健予防課 感染症予防グループ
電話番号:028-626-1115
住所:〒321-0974 宇都宮市竹林町972
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