橋本 孝さん
宇都宮市には、スポーツや芸術をはじめ様々な分野で、日本一になったり日本を代表する活躍をしている人がたくさんいます。そんな、輝いている「宮っこ」を紹介します。
日本とドイツの心を開いた交流の懸け橋に
橋本 孝さん
ドイツの発展に貢献した功労を称え、ドイツ政府から授与される、ドイツ連邦共和国功労一等功労十字章。
今年5月、駐日ドイツ大使館で伝達式が行われ、日本とドイツの交流の促進や、ドイツ文化の発展に貢献するなど、長年の功績が認められた橋本孝さんが、この功労勲章を受章しました。
今回が2度目の受章となった橋本さんは「1度目とは異なり、2度目は突然の発表だった。2度も受章できるとは思わず、大変光栄」と笑顔で語ります。
橋本さんは、ドイツと日本それぞれの大学で教授を務め、学生に両国の伝統的な文化、特に文学を中心に講義や指導を行ってきました。2002年からは、日本とドイツの学生の企業研修や、ホームステイプログラム、東日本大震災以降は被災地での日独サマースクールなど、数多くの活動を行い、これまでに800人を超える学生の交流を実施してきました。さらに、福祉の街として知られるベーテルの障がい者雇用を研究し「施しより仕事を」という考え方を紹介。また、講演や絵画の作品展を通して、誰もが安心して暮らせる社会の実現にも尽力しています。
自身で学び続ける中で「ドイツの文学には、生きていく中で大切にするべきことを教えてくれる作品がたくさんある」と魅力を感じた橋本さん。多くの人がドイツの文学を読み、生きる力にしてもらえるよう、2019年にグリム童話誕生200年を記念して、全集を翻訳するという事業を先導し、見事に完訳を果たしました。
これらの活動を通して「若者にもっと視野を広げてほしい。自分がお互いの国の素晴らしさを伝え、良い部分を学び合うきっかけになれば」と熱い思いを持つ橋本さんは、自身の過去を振り返り「ドイツに興味を持ったきっかけは、大学でのドイツ語の学習が楽しくて、積極的にドイツ人との交流を始めたこと」と話します。また、その経験から「言語は間違えても構わない。間違えて当たり前だと思って、積極的に交流に参加してほしい」と、まずは一歩踏み出すよう、熱く呼びかけています。
数多くの取り組みを通して、日本とドイツの豊かな文化を伝え続ける橋本さん。両国が今以上に心を開き交流ができるよう、友好の懸け橋となります。
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